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2003 年度 実績報告書

シンデカンファミリー各分子間の機能特異性および重複性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15040228
研究機関国立病院機構名古屋医療センター

研究代表者

小栗 佳代子  独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター, 臨床研究センター, 室長 (10158826)

研究分担者 草野 由理  独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター, 臨床研究センター, 研究員
齋藤 英彦  独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター, 院長 (20153819)
キーワード糖鎖 / プロテオグリカン / シンデカン / 細胞外マトリックス受容体 / アクチン細胞骨格 / がん転移
研究概要

研究実施計画(1)に関して
マウスルイス肺癌由来のシンデカンー2発現量の異なる細胞株を用いて以下の点を明らかにした。(Kusano et al., J.Biochem.,2004)
1)細胞膜貫入型ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)であるグリピカンは膜貫通型シンデカンの細胞外マトリックス受容体機能を代替しない。シンデカンー2とー4はフィブロネクチン受容体として協調的に働くが、シグナル伝達経路において前者が下流で働く。このシグナル伝達経路にシンデカンー1は関与しない。以上の結果は同一細胞上に発現しているHSPGに機能特異性のあることを示している。
2)上記細胞株のシンデカンー2の発現量はDNAメチル化により制御されてはいない。
研究実施計画(2)に関して
シンデカンー2発現量の異なる細胞株および人為的に発現量を変化させた細胞株を用いて、基質接着依存的な低分子性GTPaseの活性化とそれに伴うアクチン細胞骨格形成を解析した。(Kusano et al.,投稿準備中)
1)シンデカンー2はインテグリンを介したRho A活性化を抑制し、アクチン細胞骨格を皮質型からストレス繊維型に変換する。
2)シンデカンー2単独のシグナルはCdc 42活性化をもたらし、アクチン細胞骨格は糸状仮足を形成する。
研究実施計画(3)に関して
抗凝固活性を低下させた化学修飾ヘパリンを用いてルイス肺癌由来高転移性細胞の実験転移能の抑制に成功した。(Yoshitomi et al., Cancer Lett.,2004).
1)マウス尾静脈より注入した腫瘍細胞の肺転移活性は修飾ヘパリンの共静注により著しく抑制された。
2)この転移抑制が腫瘍細胞の肺への生着阻害に起因することを見いだし、シンデカンの受容体活性に対する修飾ヘパリンの競合阻害機構が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kusano Y, Yoshitomi Y, Munesue S, Okayama M, Oguri K: "Cooperation of syndecan-2 and syndecan-4 among cell surface heparan sulfate proteoglycans in the actin cytoskeletal organization of Lewis lung carcinoma cells."Journal of Biochemistry. 135. 129-137 (2004)

  • [文献書誌] Yoshitomi Y, Nakanishi H, Kusano Y, Munesue S, Oguri K, Tatematsu M, Yamashina I, Okayama M: "Inhibition of experimental lung metastases of Lewis lung carcinoma cells by chemically modified heparin with reduced anticoagulant activity."Cancer Letters. 207. 165-174 (2004)

  • [文献書誌] Oguri K, Okayama M: "Can syndecan-1 become a prognostic factor in solid tumors?"Journal of Gastroenterology. 39. 197-199 (2004)

  • [文献書誌] Kunishima S, Kojima T, Inoue C, Kamiya T, Saito H: "GATA-1 transcription factor is mutated in CMK megakaryoblastic cell line."British Journal of Haematology. 120. 542-543 (2003)

  • [文献書誌] Kunishima S, Matsushita T, Kojima T, Sako M, Kimura F, Jo EK, Inoue C, Kamiya T, Saito H: "Immunofluorescence analysis of neutrophil nonmuscle myosin heavy chain-A in MYH9 disorders : association of subcellular localization with MYH9 mutations."Laboratory Investigation. 83. 115-122 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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