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2003 年度 実績報告書

発生工学的手法を用いた個体レベルでの脂肪細胞機能と病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15081202
研究機関東京大学

研究代表者

寺内 康夫  東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40359609)

研究分担者 門脇 孝  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30185889)
窪田 直人  東京大学, 医学部附属病院, 医員
山内 敏正  東京大学, 医学部附属病院, 助手
キーワードPPARγ / CBP / レプチン / アディポネクチン / 動脈硬化 / アディポネクチン受容体
研究概要

1.PPARγヘテロ欠損マウスにおけるレプチン依存件、非依存性経路の分子メカニズムの解明
PPARγヘテロ欠損ob/obマウスと対照のob/obマウス、及びPPARγヘテロ欠損db/dbマウスと対照のdb/dbマウスを定期的に得て、研究は順調に進んでいる。PPARγヘテロ欠損ob/obマウス由来の膵島のインスリン含量、インスリン分泌はob/ob欠損マウス膵島より著しく低下していた原因を明らかにするために、PPARγヘテロ欠損ob/obマウスとob/obマウスの膵島の遺伝子発現の変化をDNA chipによる解析を進めている。
2.CBPヘテロ欠損マウスを用いたPPARγ非依存性のエネルギー・糖・脂質代謝制御経路の同定
PPARγのコアクチベーターCBP(CREB binding protein)欠損マウスがPPARγヘテロ欠損マウスと較べてより顕著な抗肥満、抗糖尿病の表現型を呈し、エネルギー・糖・脂質代謝制御においてPPARγ非依存性経路の存在が示唆された(Nat.Genet.30:221,2002)。CBPヘテロ欠損を導入するのみでob/obマウスの著明な肥満と糖尿病は完全に抑制された。これらの結果はPPARγ非依存性かつレプチン非依存性のエネルギー・糖代謝制御経路の存在を示唆し、現在その詳細な分子メカニズムを検討している。
3.アディポネクチンを介した抗動脈硬化作用の分子メカニズムの解明
アディポネクチン過剰発現マウスをapoE欠損マウスと掛け合わせ、アディポネクチンの動脈硬化に対するin vivoでの作用を検討した。apoE欠損アディポネクチン過剰発現マウスはapoE欠損マウスとほぼ同様の脂質レベルだが、動脈硬化病変は約50%に抑制された(J.Biol.Chem 278:2461,2003)。その機構として、スカベンジャー受容体の発現抑制を介する脂質蓄積の低減とTNFαなど炎症に関わる分子の発現抑制が想定された。
4.アディポネクチン受容体の同定
アディポネクチン受容体のクローニングに成功した(Nature 423:762-769,2003)。7回膜貫通型のアディポネクチン受容体(AdipoR)1は種を超えて酵母にまで保存されていた。ほ乳類に高い相同性(アミノ酸レベルで66.7%)を示す遺伝子が1つだけ存在し、AdipoR2と命名された。これら2つのアディポネクチン受容体(AdipoR1とR2)の同定は新規の抗糖尿病薬、抗動脈硬化薬開発の道を切り開くものと期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yamauchi T, et al.: "Cloning of adiponectin receptors that mediate antidiabetic metabolic effects."Nature. 423. 762-769 (2003)

  • [文献書誌] Yamauchi T, et al.: "Globular adiponectin protected ob/ob mice from diabetes and ApoE-deficient mice from atherosclerosis."J.Biol.Chem.. 278. 2461-2468 (2003)

  • [文献書誌] Waki H, et al.: "Impaired multimerization of human adiponectin mutants associated with diabetes. Molecular structure and multimer formation of adiponectin."J.Biol.Chem.. 278. 40352-40363 (2003)

  • [文献書誌] Kadowaki T, et al.: "Molecular mechanism of insulin resistance and obesity."Exp Biol Med (Maywood). 228. 1111-1117 (2003)

  • [文献書誌] Yamauchi T, et al.: "Dual roles of adiponectin/acrp30 in vivo as an anti-diabetic and anti-atherogenic adipokine."Curr Drug Targets Immune Endocr Metabol Disord. 3. 243-254 (2003)

  • [文献書誌] Ogura T, et al.: "Reduction of phosphodiesterase 3B gene expression in peroxisome proliferator-activated receptor gamma (+/-) mice independent of adipocyte size."FEBS Letters. 542. 65-68 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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