研究課題/領域番号 |
15083101
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
阿久津 秀雄 大阪大学, 蛋白質研究所, 招聘教授 (60029965)
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研究分担者 |
嶋田 一夫 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (70196476)
神田 大輔 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80186618)
森川 耿右 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任研究員 (80012665)
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キーワード | 膜インターフェイス / 生命秩序 / ソフトな分子間相互作用 / 膜タンパク質 / シグナル伝達 / 物質輸送 / 核磁気共鳴法(NMR) / X線結晶構造解析 |
研究概要 |
最終年度を迎えて本特定領域の研究は大きな飛躍を見せた。特に顕著なものとしては、生きたヒト細胞におけるタンパク質のNMRによる解析(Nature誌掲載)、大腸菌細胞内でのタンパク質の構造決定(同)、タンパク質膜透過機構を担う膜タンパク質SecYEの構造決定(同)、脱ユビキチン化酵素AMSH-LPとK63結合型ユビキチン二両体複合体の構造決定(同)等が上げられる。重要なことはこれらがいずれも本特定領域内の共同研究・連携研究の成果として得られたことであり、本領域の目指すものを体現していることである。その他のものとしては、好熱菌H^+-ATP合成酵素のF_1βサブユニットのヌクレオチド結合による構造変化のメカニズムを解明した。Asp252がキーとなり、開構造と、閉構造では水素結合のスイッチングが構造変化を駆動している。ミトコンドリア膜におけるタンパク質輸送のキーであるTom20によるプレ配列認識機構をも明らかにした。認識に重要な役割を果たすと考えられる疎水性部位はTom20に2つ、プレ配列には3つ存在し、その組み合わせにより複数の認識方式を提供する。巨大な分子あるいは分子複合体と相互作用するリガンドタンパク質の結合相手のアミノ酸を特定するためにアミノ酸選択的交差飽和移動法を開発した。また、ライゲーション化学合成法の開発を進め、一回膜貫通型、二回膜貫通型タンパク質を合成してきたが、今度は世界で初めて4回膜貫通型のタンパク質の化学合成に成功した。このようにして化学合成した膜タンパク質を用いた構造生物学的研究でも着々と成果を上げている。研究推進、広報、若手育成のために、平成21年1月22,23日には国際シンポジウムを、平成21年1月27-29日には若手勉強会を開催した。
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