研究課題/領域番号 |
15202020
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 時彦 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70027564)
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研究分担者 |
金 文京 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60127074)
岩井 茂樹 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (40167276)
石川 禎浩 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (10222978)
高嶋 航 京都大学, 文学研究所, 助教授 (10303900)
村上 衛 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 助教授 (50346053)
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キーワード | 県制 / 村制 / 県城 / 郷村 / 河北省 / 新河県 / 江蘇省 / 常州市武進区 |
研究概要 |
本年は現地調査としては、昨年度までの調査をレビューする会合を開いた上で、その結果をふまえて、4グループの調査を敢行した。9月上旬には森時彦・蒲豊彦・森紀子の3名が北京経由で河北省新河県に赴き、県内各地の自然村における寺廟分布状況を傅振倫編『新河県志』に記載されている村図の寺廟分布と比較しながら詳細に調査した。また同じく9月上旬、片山剛・村上衛の2名も上海経由で江蘇省塩城県に赴き、無錫、常州など江南寺院の僧侶の多くが出身地としている塩城について聞き取り調査の結果を検証する調査を行った。さらに森時彦・蒲豊彦・森紀子の3名は12月下旬に江蘇省常州市武進区に赴き、郷鎮レベルにおける寺廟の分布に関する調査を行った。最後に森時彦は単独で2月中旬に再度江蘇省常州市武進区に赴き、江南の春節風景を観察するとともに、県制に関する最終的な調査を行った。 文献調査としては、武進県については、最初の調査旅行の時に入手した武進区の郷鎮志と部門志(合計84冊)を精査し、郷鎮ごとの状況を一覧表にまとめた。また新河県については、中華民国期の県志と最近の県志とを精査して、175の自然村ごとに状況を比較検討できる一覧表を作成し、現在の自然村落の状況と規模を解析するとともに、中華民国期に作成された地図・地方志と対比しながら自然村落の拡大傾向に分析を加える作業を進めた。 以上の現地調査および文献調査によって、長江デルタ地域を代表する武進県と華北平原地域を代表する新河県につて、この100年余りの間における社会状況の変化とその特色を解明する基礎的データを整理することができた。
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