研究分担者 |
金嶋 聰 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (80202018)
大倉 敬宏 京都大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40233077)
須藤 靖明 京都大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40025466)
及川 純 東京大学, 地震研究所, 助手 (40262084)
橋本 武志 北海道大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70283588)
|
研究概要 |
本研究では,火山の噴火に伴うマグマ・ガス・水などのものの流れを地震学的にとらえることで,阿蘇火山の噴火の準備過程,噴火過程,終息過程における物質の移動を定量化し,噴火のダイナミクスの理解を深めること,さらに阿蘇火山における将来の定量的火山噴火予測への道しるべとすることを目標としている.特に過去9年間の本研究グループによる広帯域地震計による集中的な観測研究により比較的静的な火山活動期に判明した火山構造とその活動機構が,活発な活動期にどのような変動を示すかを把握することを目指す.具体的には,次のような目標を掲げる:1.マグマ溜まりの変動把握(マグマ溜まりへのマグマの蓄積過程,あるいはマグマ溜まりから火口へ移動の検出)および定量化,2.火道を通過するマグマ流動(上昇)・噴火時における高速ガス・土砂流等の検知および定量化,3.長周期微動源(圧力源)の変動のリアルタイム・モニタリングによる地表表面(噴火)活動の予測. 本年度は研究計画初年度ということもあり,観測の準備を主に行った.深部のマグマ溜まりから噴火口への物質の移動を検出すべく,中央火口丘周辺の10カ所でGPSによる連続観測を開始した.8月〜9月にかけて,阿蘇中岳火口付近で短周期地震計アレイの準連続観測を行ない,連続的な短周期微動の震央位置を決定した.また,同震央の時間的変化検出を試みた.火口北北西縁に決まった震央の真上で広帯域地震計のトリパタイト観測と自然電位測定を行なった.2002年12月,2003年2月,7月,9月に発生した長周期微動解析し震源決定をおこなった.その結果,いずれの期間の長周期微動も以前に求められた震源とほぼ同じ場所で発生していること,2003年7月10日の土砂噴出に伴う微動の位置変化は見られないことが明らかになった.
|