研究概要 |
現在、我々が考えているチップ埋め込み方法および配線方法において通常のCOG(Chip on Glass)と違うところと、この実装方法の特徴は次の様になる.(a)チップは基板内に埋め込まれ、基板全表面が平坦となる.これにより基板全表面がディスプレイやタッチパネルなどに使用でき,とてもスマートなデバイスが実現可能である.(b)電極が面積は小さくなり、1チップの端子数が増える.COGではどうしても接続のため電極面積が大きくなり,ディスプレイドライバーLSIなどではチップ面積をこの電極面積が決めていた.1チップあたりの端子数が増えるということは数を減らせドライバーLSIの面積が小さくなるということで二重のコストメリットが生まれる.これら特徴を最大限に生かすためにはLISチップを精度良く基板に埋め込み,その後の表面が凹凸なく,微細配線が可能とすることが重要である.そのために我々の研究室で初年度に達成したチップ埋め込み技術を更にためると共に、実際に埋め込んで駆動させるICチップの設計を主におこなった。 1.埋め込み用カスタムLSIチップの作製 埋め込みに使うカスタムLSIを設計・作製した.埋め込みチップの特性を発揮するためには電極面積が小さくし,1チップの出力電極数をできるだけ多くした.電極ピッチは埋め込みチップにおいて10um程度まで縮小可能である.したがって1cmのチップでは一列配置した場合,計算では出力端子数は1000程度まで増やすことが可能である.また,2列,3列で配置できるのならば,出力端子数は2000以上になり,1チップでXGAのディスプレイを駆動可能となる.しかしながら,今回設計しようとするドライバーは,我々が並行して研究を行っている電気泳動ディスプレイ駆動用ドライバーとするため,高耐圧プロセスでのLSIを使用する.このため,回路のデザインルールでそのピッチが制限され、160端子約160umピッチとなった. 2.埋め込みチップへの高密度配線 昨年度確立した埋め込みチップ・プロセスにITO作製技術を確立した。プラスチック基板を用いるためITOの蒸着温度の低減化が問題であったが、さらに、溶液エッチングの際に起きる基板の白濁化が問題になることがわかった.これの対処法としてエッチング溶媒とエッチング温度の最適化を行なった。
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