研究課題/領域番号 |
15209039
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
西村 恒彦 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (70237733)
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研究分担者 |
牛嶋 陽 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (20275209)
山田 惠 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80315960)
木津 修 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (70305598)
伊藤 博敏 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (60360038)
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キーワード | 予防放射線医学 / 冠動脈硬化イメージング / マルチスライスCT / 不安定プラーク / 融合画像 |
研究概要 |
20世紀後半は「病気の原因解明と治療法の進歩の時代」であった。とりわけ動脈硬化が基盤となって進展する冠動脈疾患において冠動脈閉塞に伴う虚血・再灌流障害や心不全の分子レベルでの病態解明が進み、これらの治療法として冠血行再建術、インターベンション治療や心移植が開発されてきた。一方、21世紀は「予防医学の時代」と位置づけられている。出来上がった疾病の病因解明やその治療法の開発よりもむしろ疾病の出現を未然に防ぎ、病悩期間を短くし、健康寿命を延長させ、かつ医療費を軽減させることに主眼がおかれつつある。したがって、冠動脈閉塞に伴う虚血性疾患より早期に出現する冠動脈硬化、とりわけ粥腫(プラーク)などの壁性状を含めた画像診断法の開発が進められている。21世紀において予防放射線医学の確立を目指した冠動脈硬化イメージングに関する基礎・臨床両面からの集学的研究を強力に推進していくことは「予防の時代」において不可欠であると考えられている。 本研究で得られた成果として、まず第1にがん、脳卒中と並んで多い虚血性心疾患における予防放射線医学としての冠動脈硬化イメージングの役割が確立されることがあげられ、今後の新しい予防放射線医学の展開につながる。第2に、冠動脈硬化イメージングにより予防の時代において病変の早期検出に基づく早期治療が定着し、冠インターベンションや血行再建術を大幅に減少させ、医療費の軽減とQOLの向上につながる。3年間にわたる研究から、CT/MR、PET-CT装置の進歩と併せ予防放射線医学の確立に関する成果が得られた。
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