研究課題
基盤研究(A)
放射線医学の分野において、Preventive Medicineの概念を導入した診療・研究は極めて少ない。大部分は出来上がった病態の解明に基づき、病理所見などとの対比で研究が進められてきた。しかし、高度のIT技術の導入に基づくCT/MRにおける時間・空間分解能の向上、PET/SPECTにおける分子画像を表現するトレーサの開発により、病気の前段階をより明確に検出できるようになってきた。とりわけ、冠動脈疾患において急性冠症候群は不安定プラークの破綻によるものであり、必ずしも冠動脈狭窄のみがその原因でないことが明らかになりつつある。また、スタチンなどの抗高脂血症剤によるコレステロール低下療法がプラークを安定化させ、心筋梗塞の発症率を低下させることが報告されている。本研究では、マルチスライスCTやMRIなどの高速イメージング手法を用いた冠動脈硬化に関する壁性状も含めた形態情報とSPECT/PETを用いた分子画像も含めた機能・代謝情報を組合せ、実験モデルを用い基礎的に検証し、かつ臨床的に対比検討することにより、集学的に冠動脈硬化イメージングに関する研究成果を得ることができた。本研究で得られる成果として、まず第1にがん、脳卒中と並んで多い虚血性心疾患における予防放射線医学としての冠動脈硬化イメージングの役割が確立されることがあげられる。第2に、冠動脈硬化イメージングにより予防医学の時代において病変の早期検出に基づく早期治療が定着し、冠インターベンションや血行再建術を大幅に減少させ、医療費の軽減とQ.O.Lの向上につながる。
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