研究課題
本研究の目的はDNAチップ技術を応用し、従来の病理組織診断ではできなかった消化器癌に対する悪性度・予後予測診断システムを確立し、臨床へ実践的に応用することである。本研究は、臨床フィールドとして、参加施設の協力体制のもと数千例の癌症例のサンプリングと登録を行ない、統一された臨床病理学的データを整理すること、また基礎研究フィールドとして、共同研究契約を締結した実験施設と解析施設において、DNAチップなどを用いた網羅的な分子生物学的解析データの解析を行うことを2本柱とし、2005年12月現在、すでに3000例以上の消化器癌症例の登録が終了している。具体的には、1)平成17年度より引き続き、大阪大学と関連病院で切除された各癌腫の切除標本および臨床病理学的情報を収集し、マルチセンターシステムとして標本、情報の整理・管理を行なう、2)収集された各消化器癌切除標本からmRNAを抽出し、超微量mRNA分析用マイクロラボチップによるquality checkを行なった上で、target DNA(臨床検体)の調整を進める、3)ヒト全遺伝子に対して特異的配列をもったオリゴDNA(30000種類)を搭載したヒト全遺伝子型DNAチップを用い、予備検討により決定されたプロトコールに従い一定条件下で大腸癌、胃癌、肝細胞癌、食道癌、膵癌など各種の消化器癌で数100から1000例規模を対象として、遺伝子発現からみた転移・再発・予後・再発形式に加え、治療応答性の解析などの予測診断システムを確立する、4)各疾患それぞれで関連遺伝子群の同定による治療標的の抽出を行うことである。
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