研究課題
本研究は、癌の発症、悪化の機転に関係する多くの要因の中で心理的ストレスの要因が、どのように関係し、それに対処するための心理的ケアが術後経過にどのように影響するかをあきらかにしていくことを目的としている。本年度は、手術適応となった患者の性格特性や心理状態に、ストレス・マネージメントが及ぼす短期的効果を明らかにするための取り組むことと、酸化ストレスの生理マーカー行うことを目的として取り組んだ。具体的には、心理性格特性については、POMS(ストレス尺度評価法)、BDI-II(うつ尺度)、MAC(がんコーピング尺度)を患者群に用いて、術前、術後の経過中の変化を評定しながら、ストレス・マネージメントとして自律訓練療法を、ランダムに選んだ患者に術前に受けてもらい、受けなかった患者と比較検討を行っている。全体の傾向としては、術前に抑うつや不安を病的水準で示した患者がそれぞれ3〜4割に達していた。これらの患者群に対してストレス・マネージメントを行うことで、有意ではないが、不安を軽減する効果や、前向きのコーピングを増やす傾向がうかがえた。まだ、全体の集計が途上であり、例数を増やすことで統計的な解析の精度を高めたいと考えている。また、生理マーカーについては、尿中バイオピリン、80HdG/dG、NOxなどの計測の結果は、サンプル数が少ないため統計的有意差を得ていないが、今後のサンプリングを増やして、影響する諸因子の交互作用も含めた解析を行いたいと考えている。
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