研究課題/領域番号 |
15320010
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
斉藤 明 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (80170489)
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研究分担者 |
高橋 孝信 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (10236292)
渡辺 章悟 東洋大学, 文学部, 教授 (50277349)
下田 正弘 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (50272448)
石井 公成 駒澤大学, 仏教学部, 教授 (10176133)
末木 文美士 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (90114511)
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キーワード | 大乗 / 大乗仏教 / 大乗仏教の起源 / 大乗仏教の実態 / 摩訶衍 |
研究概要 |
本研究は、H15年5月に開催された第48回ICES(国際東方学者会議、東方学会主催)におけるシンポジウム(「大乗仏教、その起源と実態-近年の論争と最新の研究成果から」)を皮切りに、総計10名の研究分担者がそれぞれの分担テーマに取り組み、これまでに12回の研究会、8回の講演会、印度学仏教学会等の国内学会、IAHR(国際宗教学宗教史学会)、ICANAS(国際アジア北アフリカ研究会議)、IABS(国際仏教学会)、ICES(国際東方学者会議)他の国際学会等を通して研究発表を重ね、すでに研究成果がとりまとめられ、5月に刊行の運びとなっている。また、研究成果の一部は、H18年度の第51回ICESにおいて「大乗仏教、その虚像と実像-経典から論書へ」と題するシンポジウムにおいて公開した。本シンポジウムでの発表内容の一部は、H19年末に刊行予定のActa Asiatica (東方学会)の特集号(大乗仏教の起源と実態をめぐって)に掲載されることが決まっている。 本研究により、在家者による参拝という信仰形態をふまえ、新たなブッダ観・菩薩観のもとに経典運動として-既存の諸部派の中から-スタートした大乗仏教運動は、時期的には仏像の誕生とも呼応して、起源後から次第に影響力を増し、3世紀以降には最初期の経典をもとに多くの論書(大乗戒の思想を含む)を成立させるに至ったという大乗仏教の起源と実態に関する経緯の一端が明らかとなった。大乗仏教徒(mahayanika, mahayanayayin)とは、こうして成立した『般若経』『華厳経』『法華経』『阿弥陀経』等の大乗経典をも仏説として受け入れる出家、在家双方の支持者であり、これらの経典はいずれもそれぞれを支持するグループ(菩薩集団)独自のブッダ観あるいは菩薩観を、宗教文学にふさわしい物語性とともに、空や智慧、仏身論や菩薩の階梯などを論じる論書としての性格を帯びながら表明している。本研究では、これらの詳細を各研究分担者がそれぞれの専門を通して解明するという貴重な研究成果を得ることに成功した。
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