研究課題/領域番号 |
15340014
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金子 昌信 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70202017)
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研究分担者 |
小池 正夫 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20022733)
永友 清和 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (90172543)
高田 敏恵 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (40253398)
朝倉 政典 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (60322286)
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キーワード | モジュラー形式 / 準モジュラー形式 / 超幾何微分方程式 / 共形場理論 |
研究概要 |
初年度より研究を続けている、以前の超特異楕円曲線のj不変量の研究において現れた複素上半平面上の二階の微分方程式に関連して、extremalな準モジュラー形式という概念を新しく導入したが、そのdepthが1の場合には、前年度報告に述べたような微分方程式との関連以外に、もとの超特異楕円曲線のj不変量に密接に関連するAtkinの直交多項式系を用いても記述が出来ることが発見、証明された。Depth 2以上の場合の数論的性質についての研究をすすめている。 準モジュラー形式の応用として、モジュラー群の尖点形式のフーリエ係数がある素数に関してordinaryであるための条件を、ある種の多項式(モジュラー形式を順次微分して得られる準モジュラー形式を、重さ2,4,6の三つのアイゼンシュタイン級数によって表したときの多項式)の可除性によって記述することにも成功した。ここにも超特異楕円曲線のj不変量が現れる。 二重ゼータ値の研究において現れたモジュラー形式については、二重ゼータ値のシャッフル関係式とモジュラー形式の周期多項式との関係を詳しく調べ、多くの興味深い結果を得た。また二重アイゼンシュタイン級数のフーリエ係数を計算し、その副産物として、ヤコビの判別式関数のフーリエ係数、いわゆるラマヌジャンのタウ関数について、新しい公式をいくつも得た。 永友の研究した共形場理論において、その指標として現れるモジュラー形式には重さが5分の整数のものがあり、それについても上述の微分方程式との関連で興味深い観察が得られている。レベル5のモジュラー曲線の超特異楕円曲線に対応する点が絡んでくるが、一部は予想のままである。
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