研究課題/領域番号 |
15390396
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
左近 賢人 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40170659)
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研究分担者 |
門田 守人 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00127309)
中森 正二 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70294080)
永野 浩昭 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10294050)
丸橋 繁 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20362725)
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キーワード | IFN / IFNAR / 5-FU / 肝細胞癌 / TRAIL / 免疫組織染色 |
研究概要 |
IFN-α併用化学療法の作用機序の検討 1)IFN-α併用化学療法を施行した進行肝細胞癌31例より得られた標本に対して、IFN-α/βreceptor(IFNAR)蛋白の発現を免疫染色にて評価し、臨床効果との関連性を検討した。IFNARの発現例22例中15例で臨床効果が認められ、非発現例9例では全て無効であった。これらによりIFNAR蛋白の発現が本併用療法の治療効果に大きく関係していることが示唆された。また,AFP、PIVKA-II、奥田分類、CLIPスコアーとIFNAR蛋白発現の5項目について単変量解析を行ったところ、IFNAR蛋白の発現のみが効果に対する独立因子であり、IFNAR蛋白が本併用化学療法の治療効果予測に有用である可能性が示唆された。 2)肝癌細胞株と末梢血単核球を用いたin vitro実験系の検討で、IFN-α+5-FU刺激により末梢血単核球のTRAILが誘導され、一方で同刺激により肝癌細胞のTRAIL receptorの発現が増加することを確認した。さらにCytotoxic assayより、末梢血単核球中の主にNK細胞と単球が、一部TRAILを介して肝癌細胞への細胞障害作用を有することが明らかとなった。これらの結果よりTRAIL/TRAIL receptorを介した免疫賦活作用がIFN-α+5-FU併用化学療法の作用機序に関与していることが証明された。現在Fas/Fas Ligandを介した免疫賦活作用についても検討中である。
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