研究課題/領域番号 |
15390434
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 康二 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80235340)
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研究分担者 |
大野 浩司 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90263277)
渡部 和男 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60107828)
三河 須美子 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70359743)
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キーワード | 神経幹細胞 / 移植 / 骨形成因子 / 神経細胞 / アストロサイト |
研究概要 |
神経幹細胞移植は各種脳疾患に対する効果的な治療として関心を集めており、基礎的実験が重ねられている。しかし、神経幹細胞移植における最大の問題点は、移植しても殆どの細胞がグリア細胞に分化してしまい、神経細胞に効果的に分化させられないことである。この原因としては移植部位における環境因子が大きな影響力をもっていることが考えられる。従って、本研究では、最近、申請者らがdifferential display法を用いて、ラット初代培養アストロサイトにおいて、接触阻害時に特異的に発現が増強する新規蛋白ニューロジェネシンを神経幹細胞移植において実用化することを目的としている。本年度の成果としは、ニューロジェネシンを特異的に認識する新しい抗体:を作成することに成功したことである。本抗体を用いることにより、ニューロジェネシンの脳内発現を詳細に解析することが可能となった。また、本抗体をラット脳内に注入することにより、デューロジェネシンの生理活性を阻害することも可能となった。また、昨年度に確立したスナネズミ三分間前脳虚血モデル、ラット中大脳動脈永久閉塞モデル、視床の二次変性モデルを用い神経幹細胞移植実験を繰り返し、移植細胞の転帰に対するニューロジェネシンの影響についての研究を進めた。その結果、ニューロジェネシンが神経幹細胞から神経細胞への分化を促進している可能性が明らかとなりつつある。次年度はこの点について更に研究を進めていく。
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