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2003 年度 実績報告書

鼻・副鼻腔疾患におけるリモデリングとその対策

研究課題

研究課題/領域番号 15390516
研究機関三重大学

研究代表者

間島 雄一  三重大学, 医学部, 教授 (60024791)

研究分担者 湯田 厚司  三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80293778)
清水 猛史  三重大学, 医学部附属病院, 助教授 (00206202)
竹内 万彦  三重大学, 医学部, 助教授 (50206942)
キーワード鼻 / 副鼻腔 / リモデリング / ムチン遺伝子 / 細胞外マトリックス / 慢性副鼻腔炎 / アレルギー性鼻炎 / 気道分泌
研究概要

気道粘液の分泌機構の解明とその制御を明らかにするために以下の如くin vitroとin vivoの検討を行った。In vitroの検討:培養細胞を用いてムチン遺伝子の発現と14員環マクロライド抗生物質の作用メカニズムを検討した。培養HM3-MUC2細胞からのムチン遺伝子MUC2の発現はPMA>LTA>LTD4>LPSに暴露された順に増強した。14員環マクロライドであるRXMはPMAにより増強したMUC2の発現を抑制し、これは転写調節因子NF-κBの活性化を抑制したためでAP-1の活性化を抑制したものではなかった。またLT受容体拮抗薬はLPSにより増強したMUC2の発現は抑制したがムチン遺伝子MUC5ACの発現は抑制しなかった。このMUC2の発現の抑制はNF-κBの活性化を抑制したためであった。ヒト鼻粘膜培養細胞において14員環マクロライドであるCAM,EMは共にMUC5ACの発現を有意に抑制した。In vivoの検討:動物モデル(ラット)を用いてI型アレルギーに於ける杯細胞からのムチン分泌につき検討した。即時相ではヒスタミンが、遅発相では好酸球、好中球からの遊離物質やcysLTsがムチン分泌の亢進に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。14員環マクロライドの全身投与はI型アレルギーに於ける杯細胞からのムチン分泌を有意に抑制した。
鼻・副鼻腔のリモデリングに重要な細胞外マトリックスの沈着に関与するマトリックス・メタロプロテアーゼMMPにつき検討した。正常鼻粘膜中にはMMP-2,MMP-9ともに、その遺伝子の発現を認めなかったが、鼻茸中ではMMP-2が発現しておりMMP-9は発現していなかった。
アレルギー患者では線毛上皮細胞の透過性が亢進しており、鼻粘膜の過敏性亢進に関与している。ヒスタミンはHl受容体を介して、密着結合のZO-1蛋白の発現を抑制することにより、また血液凝固に関与するトロンビンはアクチンファイバーを変化させることにより透過性を亢進させることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shimizu Takeshi: "A mechanism of antigen-induced goblet cell degradation in the nasal epithelium of sensitized rats"J Allergy Clin Immunol. 112. 119-125 (2003)

  • [文献書誌] Shimizu Takeshi: "In vivo and in vitro effects of macrolide antibiotics on mucus secretion in airway epithelial cells"Am J Respir Crit Care Med. 168. 581-587 (2003)

  • [文献書誌] Yang Tian-Qun: "Effects of histamine on the permeability of the nasal mucosa in vivo"Acta Otolaryngol. 401-405 (2003)

  • [文献書誌] 間島雄一: "鼻・副鼻腔のリモデリング"耳鼻免疫アレルギー. 21. 7-14 (2003)

  • [文献書誌] Kim Dong-Young: "Roxithromycin suppresses mucin gene expression in epithelial cells"Parmacology. (Accepted for publication).

  • [文献書誌] Takeuchi Kazuhiko: "Remodeling in chronic sinusitis and nasal polyps"Allergology International. (In press).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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