研究課題/領域番号 |
15390563
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
加藤 有三 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20014128)
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研究分担者 |
柴田 光枝 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20274665)
西下 一久 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20237697)
岡元 邦彰 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10311846)
坂井 詠子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教務職員 (10176612)
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キーワード | aspartic proteinase / atopic disease / cathepsin E / knockout mice / osteoclast / signal transduction |
研究概要 |
破骨細胞は血液幹細胞より、Maclopharge-colony Stimulating Factor(M-CSF)の存在下、破骨細胞前駆細胞へと分化し、間葉系細胞からのReceptor Activator of NF-κB(RANK)Ligandが破骨細胞前駆細胞の膜表面に存在するRANKに結合することによって、シグナルが細胞内へ伝達され、細胞が互いに融合して多核の破骨細胞を形成する。その際、RANK ligandとそのおとり受容体としてのOsteoprotegerin(OPG)が破骨細胞への分化および活性化を制御している。本年度は、破骨細胞の分化および活性化におけるアスパラギン酸プロテアーゼであるカテプシンEとDの影響を調べるために、それらプロテアーゼ阻害剤であるペプスタチンAをマウス骨髄細胞の培養系に添加した。まず、5〜6週齢の雄ddYマウスの大腿骨より骨髄を採取し、48穴プレートに4×10^6cell/wellの細胞数で5日間培養した。培地はM-CSFとRANKLを含むα-MEM培地を用い、この間2日ごとに培地交換を行った。ペプスタチンAは15-150μMの濃度を用いた。この結果、ペプスタチンAの濃度依存的に破骨細胞の形成が抑制された。この抑制が破骨細胞に作用しているのか、あるいは骨芽細胞を含む間葉系細胞に作用しているのかを調べるため、まず骨芽細胞の細胞株であるMC3T3-E1細胞と3日齢のマウス頭蓋骨より採取した間葉系細胞にペプスタチンAを作用させ、その増殖を調べた。しかし、その増殖にはペプスタチンAはほとんど関与していなかった。さらに、RT-PCRによるメッセージレベルによる解析においても、RANK ligandの著名な減少あるいはOPGの増加は認められなかった。これらのことより、ペプスタチンAは破骨細胞に直接作用していることが示唆された。
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