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2004 年度 実績報告書

民俗信仰と創唱宗教の習合に関する比較民俗学的研究-フランス,ブルターニュ地方の聖人信仰の調査分析を中心として-

研究課題

研究課題/領域番号 15401038
研究機関国立歴史民俗博物館

研究代表者

新谷 尚紀  国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (80259986)

研究分担者 比嘉 政夫  沖縄大学, 法経学部, 教授 (10045198)
三橋 健  國學院大學, 神道学部, 助教授 (30104748)
関沢 まゆみ  国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (00311134)
キーワードブルターニュ地方 / Anatole Le Braz / 聖人信仰 / プロヴァンス地方 / Saint-Eloi / 馬祭り / Saint-Remy-de-Provece / Maillane
研究概要

今年度は,ブルターニュ地方においてはアナトール・ル・ブラズAnatole Le Braz(1859〜1925)が調査に訪れた町を中心に、グエヌー(Gouesnou),ロクロナン(Locronan),サン島(Ile de Sein),サンターヌドレー(Sainte-Anne-d'Auray)においてフィールドワークを行い、聖人信仰および死をめぐる儀礼伝承に関する調査と資料の収集を行った。また、ブルターニュ地方のそれと比較する視点を獲得したいと考えて昨年予備調査を行ったプロヴァンス地方のデュランス川とローヌ川の間の三角地帯に特徴的に分布する金銀細工師や鍛冶屋の守護神として知られる聖人サンテロワ(Saint-Eloi)の馬祭りの調査を実施した。具体的にはマイヤンヌ(Maillane)のサンテロワの馬祭りの再調査とサンレミドゥプロヴァンス(Saint-Remy-de-Provece)の馬祭りの実地調査を行った。マイヤンヌにおいてはサンテロワはもともとメナージェと呼ばれる裕福な農家層の守護神で祭りも彼らによって行なわれていたが、革命後1850年前後から盛んになり、さらに1921年にいたって村人の祭りへと変化した。一方、サンレミドゥプロヴァンスにおいても5月最後の日曜日にサンテロワの祭りが行なわれていたが、1917年に市民と教会との対立を契機に祭りが中断した。その後、1954年になって市民が教会や政治と決別した娯楽的性格の強い祭りとして復活した、などその近年の変遷の歴史の追跡を行うことができた。それぞれの歴史を反映して、マイヤンヌの馬祭りは現在まで聖人サンテロワへの信仰的性格を濃厚に残し、サンレミドゥプロヴァンスの馬祭りは聖人なしで行われる娯楽的性格をその特徴としている点が対照的であることなど注目すべき分析視点が獲得されつつある。なお研究分担者各位によってこのほかにも個別の聖人に注目した情報資料の収集が進められた。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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