研究課題/領域番号 |
15405028
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
石松 惇 長崎大学, 水産学部, 教授 (00184565)
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研究分担者 |
竹田 達右 九州大学, 農学部, 助教授 (30091367)
小山 次朗 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (50336327)
夏苅 豊 長崎大学, 水産学部, 教授 (10039729)
竹垣 毅 長崎大学, 水産学部, 助手 (50363479)
征矢野 清 長崎大学, 水産学部, 助教授 (80260735)
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キーワード | トビハゼ / ムツゴロウ / 干潟 / 越冬 / 生物多様性 / 生態系 / 韓国 / 生活史 |
研究概要 |
平成15年度は韓国酉岸および南酉岸の干潟について、生息状況の調査を広く行い、各研究者の調査地点を決定した。石松・竹田のグループは西岸のSaemangeun以北を中心として、越冬期調査のための温度ロガーを2箇所に設置するとともに、現地研究者との研究計画の実施打ち合わせを行った。夏苅は有明海・八代海・韓国、合計7地点44個体のムツゴロウを用いて、mtDNA調節領域5'側485bpの塩基配列を決定した。得られた系統樹では国内産と韓国産の間には明確な遺伝的差異があったが、国内の有明海と八代海との間には差異はほとんど認められなかった。しかし、有明海と八代海では共通のハプロタイプのほかに、それぞれに固有のハプロタイプが存在し、両海域のムツゴロウは遺伝的に多少異なる可能性も示唆された。竹垣・田北のグループは、2003年7/27-31に韓国西岸から南岸にかけてSaemangeun、Anmyeon、Hampyeong、Gangjin、SuncheonおよびYeosuの各フィールドを視察した。ムツゴロウが南岸に数多く生息することが確認され、Suncheonman湾奥部の河口干潟を主調査場所と決定した。2004年3/20-24にかけで、Pukyong国立大学の白根旭博士の協力を得て、同調査場所で越冬終期のムツゴロウ当歳魚を採集した。今後は、同時期に採集した日本のサンプルと魚体のコンディション(肝重量指数および体脂肪率)を比較し、より寒冷な韓国のムツゴロウ当歳魚の越冬生残戦略を解明していく。小山・征矢野は韓国で、化学物質による著しい汚染のしられているLake Shihwaの底質を数地点にわたって採取した。また、汚染の著しい地点と少ない地点のハゼの筋肉サンプルも採取した。今後は各試料に含まれる化学物質の種類とその濃度、さらにその内分泌撹乱作用について検討する。
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