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2005 年度 実績報告書

韓国産ムツゴロウ・トビハゼ類の環境適応に関する生理生態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15405028
研究機関長崎大学

研究代表者

石松 惇  長崎大学, 環東シナ海海洋環境資源研究センター, 教授 (00184565)

研究分担者 夏苅 豊  長崎大学, 水産学部, 教授 (10039729)
小山 次朗  鹿児島大学, 水産学部, 教授 (50336327)
竹田 達右  九州大学, 農学部, 助教授 (30091367)
征矢野 清  長崎大学, 環東シナ海海洋環境資源研究センター, 助教授 (80260735)
竹垣 毅  長崎大学, 生産科学研究科, 助手 (50363479)
キーワードトビハゼ / ムツゴロウ / 干潟 / 越冬 / 生物多様性 / 国際情報交換 / 韓国 / 生活史
研究概要

韓国南岸のYeosu近郊の河口干潟で採集した越冬直前のムツゴロウ若齢個体の肝重量指数および体脂肪率は、日本の個体の約2.5倍も高い値を示した。韓国南岸における本種の冬期非活動期間は日本よりも約2ヶ月間も長いため、冬期の消耗による死亡を避けるために、越冬前により多くのエネルギーを貯蓄していると考えられる。
韓国産トビハゼ2種Periophthalmus magnuspinnatusとP.modestus,日本産P.modestusを用いて室内で巣孔を形成させ,室内に外気を取り込み,季節的に変化する温度と行動の関係を調べた.水温が下がると,水中から出なくなった。この傾向は日本産と韓国産のP. modestusでは差がなかったが,P.magnuspinnatusは水面に浮かべた板に上がるのを好み,P.modestusより低い温度まで板に上がった。気温による摂餌抑制の度合は,P.magnuspinnatus,韓国産P.modestus,日本産P.modestusの順に強かった。
日本・韓国・中国のムツゴロウのミトコンドリアDNA塩基配列の分析結果から、日本の個体群は地理的隔離を受けて大陸個体群から分断された大陸遺存種であることが示された。また、遺存種の多くが約1.5万年前の最終氷期に大陸から分岐したとされてきたが、塩基置換率から推定した日本のムツゴロウ個体群の分岐年代は24-265万年前と桁違いに古いことが明らかとなった。
トビハゼの生息する可能性のある韓国沿岸の数地点低質について、その内分泌かく乱作用強度をエストロゲンリセプターバインディングアッセイによって測定した。その結果、ソウル近郊に位置するShihwa湖(干拓池)とその海に面した外側の地点ではエストラジオールのリセプター結合が50%以上阻害された。一方、ムツゴロウなどが生息する韓国南部のYeosu市近郊のSanbong及びSangnimでは同結合阻害率が20%未満と小さく、わが国の有明海でも結合阻害率11%以下と低かった。Shihwa湖及びその周辺の観察結果から、人口密度が高く、工業化の進んだ地域からの汚水に含まれる女性ホルモン作用を有した物質によって、その沿岸域低質が著しく汚染されていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of 17-estradiol on reproduction of Java-medaka (Oryzias javanicus), a new test fish2005

    • 著者名/発表者名
      S.Imai, J.Koyama, K.Fujii
    • 雑誌名

      Marine Pollution Bulletin 51

      ページ: 708-714

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2014-10-27  

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