研究課題/領域番号 |
15510019
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研究機関 | 山梨県環境科学研究所 |
研究代表者 |
杉田 幹夫 山梨県環境科学研究所, 地域環境政策研究部, 研究員 (60342961)
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研究分担者 |
池口 仁 山梨県環境科学研究所, 地域環境政策研究部, 研究員 (50342960)
大塚 俊之 茨城大学, 理学部, 助教授 (90272351)
小熊 宏之 国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (10342734)
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キーワード | リモートセンシング / 富士北麓 / 3次元計測 / 森林現存量 / 森林成長量 / Scanning Lidar |
研究概要 |
本研究では、Scanning Lidar装置を用いて森林内部を3次元計測したデータを解析し、森林の3次元構造を推定する手法の開発を行い、炭素収支のうち森林の成長量を精度良く推定することを目的とした。この方法で地上で生態学的方法により計測した樹木分布や森林現存量を検証データとすることにより、衛星リモートセンシングデータなどへのスケールアップを可能とする。研究の対象とした地域は富士北麓に位置する剣丸尾溶岩流上のアカマツ林である。 地上での生態学的計測では、対象森林内に設けられた0.89haの調査区においてNPPの測定を行った。NPPは、単位時間当たりのバイオマス増加量に単位時間当たりの枯死脱落量を加えることにより求め、被食量は無視した。2003年および2004年に測定したバイオマスの差によりNPPを求めた結果は5.4tC/haであった。また、枯死量は3.6tC/ha、バイオマスは1.9tC/haであった。 これに対し、リモートセンシングによる森林の3次元構造を得るために、ヘリコプターから剣丸尾アカマツ林を縦貫して走る富士スバルライン沿いに計測されたScanning Lidar計測データを用いて、剣丸尾アカマツ林の樹冠高分布を推定した。推定した樹冠高分布と地上での生態学的計測データの間で解析を行い、森林の現存量の推定を行った。本研究により、面的に情報を得ることのできるリモートセンシングを応用して、広域な森林全体における現存量を定量的に計測する技術を開発するための基礎的な知見を獲得することができた。
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