研究課題/領域番号 |
15520057
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山中 弘 筑波大学, 哲学・思想学系, 教授 (40201842)
|
研究分担者 |
笹尾 典代 恵泉女学園大学, 人文学部, 助教授 (60308294)
木村 武史 筑波大学, 哲学・思想学系, 助教授 (00294611)
木村 勝彦 長崎国際大学, 人間社会学部, 教授 (10195357)
寺石 悦章 四日市大学, 総合政策学部, 講師 (00340414)
松井 圭介 筑波大学, 地球科学系, 講師 (60302353)
|
キーワード | 聖性 / ツーリズム / カトリック教会 / 世界遺産 / 聖性 / 巡礼 / 筑波山 / 都市祭り |
研究概要 |
本科研の採択が10月になったために、本年度の研究は二回にわたって研究課題の遂行に際しての方法論の検討と分担者の調査地での報告をおこなった。具体的な内容は以下の通りである。方法論の議論としては、場所の聖性という問題を文化地理学的視点から論究するShackley, M.2001:Meaning Sacred Sites : Service Provision and Visitor Experienceを材料にして、聖地を管理するという発想を議論した。具体的な事例を報告として、(1)筑波山の御座替わり(2)長崎カトリック教会群の世界遺産の指定運動があった。前者は筑波山という聖なる山を舞台にして展開する伝統的祭りの神輿の担ぎ手の変化と、それと対照的なツーリズムと地元商店街が仕組んだガマ祭りの盛衰、さらにつくば市の都市乗りである「まつりつくば」の動向などが報告された。また、後者は、長崎市の観光業界、カトリック教会、長崎県などが中心に行っている、県下の存在するカトリック教会や隠れキリシタンの遺品、そしてその景観を世界遺産に指定してもらう運動を紹介し、そのなかで、いかに長崎という場所に刻まれた聖性が利用され、それが強化されながら、運動が行われているかを議論した。とりわけ、観光業界主導で、長崎巡礼の旅という企画が商品として開発され、それが人気商品となっていることが紹介された。以上の二つの発表から、筑波や長崎の場所が持つ聖性がツーリズムを中心としたさまざまなセクターの意向とのかかわりで再構築されていることが明らかになった。次年度は、これらを踏まえて、方法論的議論をさらに深化させるとともに、長崎の調査地としたよりいっそうの現地調査を考えている。
|