研究課題/領域番号 |
15520105
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
芳賀 紀雄 筑波大学, 文芸・言語学系, 教授 (20097827)
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研究分担者 |
谷口 孝介 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (40272124)
松本 肇 筑波大学, 文芸・言語学系, 教授 (40128814)
向嶋 成美 筑波大学, 文芸・言語学系, 教授 (50015393)
白井 伊津子 筑波大学, 文芸・言語学系, 助手 (40323224)
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キーワード | 訓読語 / 漢語 / 出典 / 故事 / 和習 |
研究概要 |
本年度の研究は、「出典調査・研究班」(芳賀・谷口・白井)と「出典考証班」(向嶋・松本)の二班に分かれて行った。二班は研究支援者を交えて、月に平均二度の研究会を開き、双方の成果について討議を重ねつつ、データの入力を開始した。各班の主要な分担は以下のごとくである。 「出典調査・研究班」は、『萬葉集』および『古今和歌集』における中国文学受容の研究の原点と言うべき契沖『萬葉代匠記』(初稿本・精撰本)『古今余材抄』に引く漢詩文の集成と整理から研究に取り組んだ。『萬葉集』の方は、『萬薬代匠記』に続いて同様の視点から注釈を施している岸本由豆流『萬葉集攷証』についても同時に進めた。『萬葉集』『古今和歌集』の一首ごとの整理は、江戸末期の注釈書に至るまでほぼ完了している。 一方、「出典考証班」は、『萬葉集』『古今和歌集』の歌において、訓読語として用いられた可能性を認めうるか否か、微妙な判断の求められる漢語はもとより、『萬葉集』の題詞・左往・表記に見える特異な漢語をも抽出し、そのうえで古代から唐代にかけての出典の検索を、漢語の性格とその意味の変遷に留意しつつ慎重に行った。検索結果については、一例ごとに、漢語の本来の意味とは異なって用いられた例、後代の用例は残るものの『萬菓集』に先立つ例の確認し得ない例、和製漢語と覚しき例といったいくつかの分類のもとに記述した原稿を準備し、最終的には大綱と細目を示して今後の研究に資すべく蓄積をはかっている。
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