研究概要 |
18年度は上記の研究を実施して、基本的には事前に定めた計画・方法に即して研究を進めてきた。以下がその概要と実績である。 (一)日中両国において、本研究に関する漢籍・研究資料を幅広く収集している。 (1)唐代及びそれ以降の中国・日本などの公私目録; (2)唐・宋代の典籍(中国の経典・史書・諸子書文集詩集・総集・地方志・墓志・石刻・敦煌文献・類書・叢書・譜牒・史料価値のある随筆など)に現れる唐代の著述に関する記述; (3)日本における唐代の著述を記録した文献; (4)日中出土古文献; (5)近代以降の学者が著した唐代の著述に関する論文・著述; (6)日本・中国(台湾中央研究院など)の関連研究データベース。 (二)収集されている著述(集部)の書名・真偽・流伝状況(存・佚・殘・不明)と伝本・著者(生卒年・籍貫・登第・任官・主要活動など)について初歩的な考證を加えている。 (三)『新唐書』芸文志を中心に、『旧唐書』経籍志・『日本国見在書目録』・『宋史』芸文志など39種の目録などに依拠しつつ、『敦煌遺書総目』なども参考としながら、『総目(草案)』(集部)の作成を行っている。 (四)『総目(草案)』(經部・史部・子部・集部)の原稿について専門家に意見を求めている。 (五)以上の諸作業を行いながら、調査・研究に基づいて、成果として、本年度、論文を2点発表した。発表予定論文は2点ある。1、(單)『日本國見在書目録失考書考(子部)』(中国・南京大学『域外漢籍研究集刊』第3輯、南京大学域外漢学研究所、中華書局,2007.5、約10万字);2、(單)『日本國見在書目録・刑法家考』(六)(『人文論集』第46号、早稲田大学法学会、2008.2)。 『日本・中国における唐代の著述に関する総合目録』を作成中、年内提出する予定である。
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