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2003 年度 実績報告書

文献に現れた述語形式と国語史の不整合性について

研究課題

研究課題/領域番号 15520290
研究機関大阪大学

研究代表者

蜂矢 真郷  大阪大学, 文学研究科, 教授 (20156350)

研究分担者 岡島 昭浩  大阪大学, 文学研究科, 助教授 (50194345)
金水 敏  大阪大学, 文学研究科, 教授 (70153260)
キーワード役割語 / リサイクル語 / 幽霊語 / 表現性
研究概要

近世から近代にかけての調査により、「〜〜あります」という述語形式で述べられているものが、いくつか発掘された。これは外国人であることを示す役割語となるものであるが、明治5年10月初演の河竹黙阿弥『月宴升毬栗』、仮名垣魯文『西洋道中膝栗毛』、同『安愚楽鍋』などにみられるものであることがわかった。これに関連して、河竹黙阿弥の戯曲群は、本研究にとって重要な位置を占めることが改めて認識された。
「おじゃる」という述語形式は、貴族等であることを示す役割語であり、中世の京都で一般に用いられた形式をリサイクル語として使用したものであるが、今期の調査で、大正15年の田山花袋「日蝕の日」で、平安時代の老人(『大鏡』の大宅世継も登場する)であることを示す役割語として使われていることを見いだした。
リサイクル語や幽霊語(誤った回帰などによる擬古語)が多く見られると思われる近代詩歌の調査も開始しており、北原白秋のものから、リサイクル語が多数、また幽霊語もいくつか拾うことが出来ている。近代詩歌の中には歌謡曲など歌詞も含んでおり、これの中にはメロディーから来る音数の制限によって、さまざまなリサイクル語や幽霊語が見られることが、調査により明確になりつつある。
なお、この科研費による研究の成果ならびにこれに関する諸情報は、ホームページ(http://www.let/osaka-u.ac.jp/~okajima/kakenhi15520290/)に示しており、今後も増補を続ける。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 金水 敏: "「役割語」から読み解く、日本語のヴァーチャルな世界(インタビュー)"diatxt. 10. 53-61 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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