研究概要 |
本研究の目的: 遠隔語学教育のための教材を人間の空間認知と結びつけて行うことの可能性を探るのが本研究の中心テーマである。それによって,学習者は,これまで教場では習得困難であった文法項目を習得できるようになるだけでなく,自らそのような表現を生成できるようになり,かつ学習期間をはるかに短縮できることを期待している。 方法: パソコン上に仮想空間を作り出し,学習者はあたかも母語を獲得してきた過程に類似したシステムの中で,外国語学習をさせていく。 システムの開発: 2003年度では,自然言語習得の過程に近い形で,パソコン上に3D空間を構築し,試験的にシステムを制作し、それをこれまで開発してきた「Dig中国語学習システム」とを組み合わせ,全18課分の内容を作った。 各課の内容は大まかに単語学習システムと3D空間学習システムで構成されており,学習者はまず単語学習システムでの課題を完成してから,初めて3D空間に入って実践的な学習を行うことができる。単語学習システムはこれまで開発してきたDig中国語学習システムの方法を利用した語彙学習システムで,主にタイピングドリルを中心に展開していくものである。3D空間学習システムは学習者が実際にその空間に入り,ある種の擬似体験をしながら,音声刺激を受け,それによって対象言語を獲得することができるように作られている。 システムの評価: システムの最終的な完成を待って,本格的な評価をする予定であるが,中間的に早稲田大学文学部の学生に評価してもらった。その結果、インターフェースなどについて指摘があり,修正している段階である。
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