本研究の目的は、重度・重複障害児を対象として、共同注意行動が形成される前後における発達評価とその発達支援のプログラムを開発することであった。 重度・重複障害の子どもは、その発達段階が1歳程度であり、共同注意関連行動を参考にその発達項目を整理することで、1歳以下の学習評価項目について検討することとした。 共同注意関連行動を手がかりとした行動評価」遠城寺式乳幼児発達検査等を参考に、学習到達度チェクリストを開発した。国語(聞く・話す、読む、書く)、算数(数量、測定、図形)、生活、体育で整理した。 この学習到達度チェックリスト及び学習到達度スコアで、重度・重複障害のある子どもを実態把握し、指導課題を検討した。また、重度・重複障害児の実態把握、目標設定、指導の実際とこの学習到達度チェックリスト、スコアのつながりを検討し、2事例の報告を検討した。これらの結果を、「重度・重複障害児における共同注意関連行動と目標設定及び学習評価のための学習到達度チェックリストの開発」として報告書にまとめた。 共同注意関連行動等を手がかりに、学習到達度チェックリストを作成し、事例の実態把握、課題設定に活用し、その妥当性を検討しだ。障害のある子どもの学習評価は、これからの大きな課題であり、教育課程の在づ方も含めた検討が必要となる。その動向において、障害がある子どもであっても障害のない子どもと連続的な教育課程、学習評価が求められる。この研究の成果は、その点を検討する上でのひとつの手がかりとなると考える。
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