研究分担者 |
手塚 康誠 琉球大学, 理学部, 教授 (20197784)
柳田 伸顕 茨城大学, 教育学部, 教授 (20130768)
谷崎 俊之 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70142916)
津島 行男 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047240)
古澤 昌秋 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50294525)
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研究概要 |
Drinfeld-Jimboの量子群には,divided powersを持たないDe Concini-Kacによるもの,それを持つLusztigによるものがあるが,前者についての最大次元の既約加群のparametersを適当に特殊化すると,後者に関する加群が得られることが中島によって分かっていた。兼田と中島は,2003年に出版された共著論文において,その特殊化された加群を詳しく調べて,それが標準的な加群に非常によく似てはいるが,本質的に異なる物であることを明らかにした。中島によるものは,標準加群ではないが,その指標は標準加群のものと一致し,その構造が具体的に記述出来るため,将来役に立つ可能性がある。 正標数のsmooth varieties上の微分作用素環にも,通常のdivided powersを持つものとBerthelotによって導入されたdivided powersを持たないものがあるが,後者は,最近,Bezrukavnikov, Mirkovic, Rumyninが,flag variety上で用いてLie環の表現論に目覚ましい結果をもたらした物に一致する。一方,Berthelotは,数年前に,自身による構成を一般化してarithmetic differential operator ringなるものを定義した。兼田は,arithmetic differential operator ringを用いて,Bezrukavnikov, Mirkovic, Rumyninによる結果の展開が望めないか考えており,本年度の科研費によってRumyninのもとを訪ねることが出来たのは幸いであった。
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