研究分担者 |
釜江 哲朗 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047258)
竹内 敦司 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30336755)
吉田 雅通 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60264793)
伊達山 正人 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10163718)
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研究概要 |
ある種の無限次元空間上の確率微分方程式は、相互作用のある無限粒子系を記述する方程式として登場する。それらに対応する無限次元空間上の生成作用素について、偏準楕円性が一つの研究課題になる。本研究では、確率微分方程式で記述される「無限次元空間上の確率流」に対するMalliavin解析により、偏準楕円性に関する研究を行なった。 α_0(x,x^^-)はR^N-値の滑らかなR^N×R^N上の関数、ν(dθ)は離散空間θ上の有限測度、β_t=(β^θ_t)はWiener過程、そしてμ(dv)は或る可積分条件を満たす測度とする。u∈R^dとし、SDEの系 dx^u(t)=(∫a_0(x^u(t),x^v(t))μ(dv))dt+∫ν(dθ)a_θ(x^u(t))○dβ^θ_t を考える。x^u(0)は滑らかで、x(t)=(x^u(t))はHilbert空間H=(L^2(R^d,B(R^d),μ))^Nに値をとる確率過程と仮定する。π:H→R^Mを有界線形写像とし、確率変数π(x(T))の分布が滑らかな密度関数を持つとき、そのSDEの系は偏準楕円性を持つという。H上のベクトル場 A_0=∬μ(du)μ(dv)a_0(x^u,x^v)・∂/∂x^u,A_θ=∫μ(du)a_θ(x^u)・∂/∂x^u に関する偏Hormander条件を導入し、その条件の下での偏準楕円性を、H上のSDEに対するMalliavin解析により証明した。そして、この「偏Hormander定理」を用いて、ある種のSDEの系で定義される、無限次元空間上の確率流による「測度の正則性の伝播」の問題に対して、一定の解答を得た。
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