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2004 年度 実績報告書

摩周カルデラの陥没機構についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 15540435
研究機関島根大学

研究代表者

小室 裕明  島根大学, 総合理工学部, 教授 (80135897)

キーワードcaldera / cauldron / gravity anomaly / terrain correction / differential GPS / Bouguer anomaly
研究概要

カルデラ内の測点を含む重力観測により求めたブーゲー重力異常は,中心部が周囲より12mgalほど低いスリバチ型の低重力異常を示す.この低重力異常の範囲はカルデラとよく一致する.
しかし,湖水の影響を地形補正から差し引くと,摩周カルデラの低重力異常はほとんど消えてしまう.このことは,摩周カルデラの低重力異常の原因となっている低密度物質の大部分が水であり,火砕流やfall backなどのcaldera fillがほとんど存在しないことを示唆する.このことは同時に,湖底の起伏がカルデラ底の形態そのものであることを意味している.摩周湖の湖底は鍋底型なので,摩周カルデラのカルデラ底も鍋底型であり,このことは,カルデラ陥没が,chaotic型やdownsag型ではなく,「plate型」であった可能性を示している。
重力観測の位置決定については,2台の携帯型GPSによるディファレンシャル観測を行なった。摩周カルデラ周辺は,上空の見晴らしがよいことが幸いして,常時8〜9台の衛星を捕捉できた。これにより,標高の精度を0.5〜1.7mの精度で観測できた。この標高精度ならば,重力異常の観測精度は0.1〜0.3mgalとなり,カルデラの重力異常を議論するには十分な精度といえる。したがって,高価で観測に時間のかかる測量用リアルタイム干渉測位GPSを用いずとも,安価な携帯GPSを重力異常観測に使用することができることが判明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004 2003

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 古第三紀桜江コールドロン南縁部の地質構造2004

    • 著者名/発表者名
      日畑美香, 大谷隆晃, 小室裕明
    • 雑誌名

      島根大学地球資源環境学研究報告 23

      ページ: 49-53

  • [雑誌論文] 島根県桜江町八戸川流域に分布する漸新統桜江層群2003

    • 著者名/発表者名
      大町聖子, 小室裕明
    • 雑誌名

      島根大学地球資源環境学研究報告 22

      ページ: 81-85

  • [図書] 日本列島重力アトラス-西南日本および中央日本【CD-ROM付】2004

    • 著者名/発表者名
      山本明彦ほか
    • 総ページ数
      12
    • 出版者
      東京大学出版会

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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