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2005 年度 実績報告書

日本人研究者が記載した古生代サンゴ化石タイプ標本の分類学的総括

研究課題

研究課題/領域番号 15540452
研究機関福岡大学

研究代表者

杉山 哲男  福岡大学, 理学部, 教授 (50131826)

研究分担者 江崎 洋一  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60221115)
新川 公  新潟大学, 自然科学系, 助教授 (50134903)
長井 孝一  琉球大学, 理学部, 助教授 (30117197)
キーワード分類学 / 地質学 / サンゴ化石 / タイプ標本 / 古生代
研究概要

本年度は、東北大学と筑波大学において補充所在確認調査を実施した。また、Yabe and Hayasaka(1915、1916、1920)によって記載された、本邦サンゴ化石研究の出発点ともなった標本について、1)所在確認結果の総括、2)保存状態、3)後の研究展開における標本の分類学的意義、4)結果公表のもたらす意義等について、分担者らと討論を重ねて成果の取りまとめを進めた。
Yabe and Hayasakaは、中国各地、朝鮮半島、日本国内から、合計29属58種のサンゴ化石を報告しており、このうち新種として報告されたものは22属34種に及ぶ。しかし、1915年、16年の論文は記載文のみからなり、図版を伴っていない。一方、1920年論文では、7属7種が新種名を伴って図示されたにもかかわらず、記載文を伴っていない。これらの2つの論文を総合すると、記載文はあるが図示されていないものが9属15種、記載・図示の両方の要件を満たしているものは、11属12種に過ぎない。後の研究者が図示した例を除くと、5属11種の標本は、これまで一度も公表図示されていないことが明らかになった。
これらのタイプ標本を特定する作業は、欠号になった東北帝國大学理科報告(地質学)第2巻第3号の製本前の図版の一部を用いた。その結果、記載された34種のうち33種についてタイプ標本を特定することができた。このうち6属9種は新属新種として報告されており、特定された標本は模式種標本に相当し、研究の進展によって属名変更の必要が生じた場合は、必ず参照すべき重要な資料といえる。既にTetrapora、Cylindorophyllum、Lithostrotionellaなどの属について再検討が進められているが、原標本は失われたとみなされており、再発見されたこれらのタイプ標本がもたらす情報は極めて重要と言える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Permian rugose coral faunas of Inner Mongolia-Northeast China and Japan.2006

    • 著者名/発表者名
      Wang, X.D., Sugiyama, T., Kido, E., Wang, X.J.
    • 雑誌名

      Journal of Asian Earth Science (in press)

      ページ: 11

  • [雑誌論文] 宮崎県五ヶ瀬町祇園山層から産出するシルル紀四放サンゴ化石群.2005

    • 著者名/発表者名
      木戸絵里香, 杉山哲男
    • 雑誌名

      福岡大学理学集報 35・1

      ページ: 11-29

  • [雑誌論文] 流体包有物から明らかになった秋吉石灰岩における古熱水活動.2005

    • 著者名/発表者名
      田口幸洋, 木戸絵里香, 塚本直子, 杉山哲男
    • 雑誌名

      秋吉台科学博物館報告 40

      ページ: 35-49

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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