研究課題
気液界面での物質移動の速度と機構を理論的に解析し、従来の実験と理論の間の定性的な不一致を明らかにした。従来の不均質kineticsの実験で測定される現象論的な取り込み速度には、気相拡散や液層表面での溶解平衡などいくつもの要素ステップが含まれており、それらの評価は実験解釈上とりわけ重要である。そこで、従来の液滴実験を流体シミュレーションを用いて定量的に解析し、要素ステップを分離して評価できることを示した。その結果、従来の液滴実験に用いられる解析方法には系統的な誤差があり、適応係数を過小評価する傾向があることを見いだした。一つの重要な例として、水分子の水表面への適応係数αは実験的にα=0.23と報告されていたが、気相拡散抵抗を正確に評価することによって、α〜1であることを示し、従来の分子動力学シミュレーションとの食い違いを解決した。さらにその補正をHO_2ラジカルの不均質取り込みに適用し、典型的な対流圏境界層大気に対するインパクトを大気ボックスモデル計算によって評価した。
すべて 2004 2003
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