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2003 年度 実績報告書

Gene Chipによって採取された体内時計中枢に発現する機能未知遺伝子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15590178
研究機関近畿大学

研究代表者

長野 護  近畿大学, 医学部, 助手 (80155960)

研究分担者 足達 明人  近畿大学, 医学部, 助手 (20351588)
藤岡 厚子  近畿大学, 医学部, 助教授 (30077664)
重吉 康史  近畿大学, 医学部, 教授 (20275192)
キーワード体内時計 / 概日リズム / in situ hybridization / HSP遺伝子 / Id2遺伝子
研究概要

我々は、マウス視交叉上核においてGene Chipで著明な振動を示した約100個の遺伝子のうち半数ほどについてin situ hybridizationを行い、実際、視交叉上核で明瞭なリズムがあるかを調べた結果、Stx5aやRikなど振動がほとんど認められない遺伝子もあった。
一方、明瞭なリズムを示した遺伝子に熱ショックタンパク質(HSP)遺伝子が幾つか含まれていた。これらの遺伝子はHspa5、Hsp40、Hsapa105遺伝子で、マウスにおいて夜間に高く、昼間に低いリズミカルな遺伝子発現パターンを示し、概日周期の主観的夜におけるタンパク質発現などに重要な役割を果たしている可能性が考えられた。また、ラットではマウスの発現パターンと異なり、Hspa5遺伝子発現は、マウスでは夜間にピークを示したのに対し、ラットでは昼の後半から夜間の前半でピークを示し、DIGプローブを用いて発現部位を調べた結果、発現は視交叉上核の背内側部に集中し、腹外側郡にはほとんど認められなかった。また、Hspa105遺伝子発現は周期的振動は認められたが、振幅は小さいものであり、Hsp40遺伝子においては発現はほとんど認められなかった。このことからHSP遺伝子のうち、ラットではHspa5遺伝子が概日リズム形成に関与している可能性が考えられる。
次に、Id2遺伝子はマウス視交叉上核で、明暗、恒暗条件下とも周期的発現が認められ、それぞれ主観的夜の後半に発現のピークを示した。この遺伝子発現のピークはPer1遺伝子とBmal1遺伝子のピークとの間にあたり、また、Id2遺伝子はHLHドメインをもつが、DNA結合ドメインはないことからPer 1遺伝子の転写におけるネガティブ因子として働く可能性が考えられた。なお、現在、Id2遺伝子ノックアウトマウスによる行動解析を行っている。
また、他の遺伝子についても解析を進めている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Nagano: "An abrupt shift in the day/night cycle causes desynchrony in the mammalian circadian center."J.Neurosci.. 23. 6141-6151 (2003)

  • [文献書誌] T.Iwasaki: "A partial hepatectomy results in altered expression of clock-related and cyclic glyceraldehyde 3-phosphate dehydrogenase (GAPDH) genes."Life Sciences. (in press).

  • [文献書誌] K.Kawamoto: "Two types of VIP neuronal components in rat suprachiasmatic nucleus."J Neurosci.Res.. 74. 852-857 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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