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2004 年度 実績報告書

左心室虚血による非虚血領域右心室でのA_1受容体upregulationの機構

研究課題

研究課題/領域番号 15590193
研究機関日本大学

研究代表者

國分 眞一朗  日本大学, 医学部, 教授 (20153520)

研究分担者 日台 智明  日本大学, 医学部, 講師 (70228732)
キーワード心筋虚血 / アデノシンA_1受容体 / preconditioning
研究概要

アデノシンはあらゆる細胞に偏在する生体化合物であり、種々のアデノシン受容体のサブタイプと結合することによりさまざまな生理学的効果を示すが、心臓においてアデノシンA_1受容体は心筋虚血に対する保護作用に関与することが示唆されている。これはいわゆるpreconditioningといわれる概念であり、軽度の限局性心筋虚血の既往がある患者は、重度の広範囲な虚血に対して心筋の非可逆的損傷が、心筋虚血に暴露され既往のない患者に比較して、低い程度と狭い範囲に限られるという臨床知見から提出されたものである。
そこで、本研究ではpreconditioningにおけるアデノシンA_1受容体の役割を明らかにすることを目的としてラット虚血再灌流心をもちいて研究を行い、今年度は以下の結果を得た。
(1)昨年度は左冠状動脈下行枝を絹糸で結紮して作成した虚血再灌流心群では右心室領域においてアデノシンA_1受容体mRNA発現量が増加していることが明らかになったが、左心室領域で実際血流が阻害され、右心室領域に血流が維持されていることを示す目的で、虚血時に蛍光色素を灌流して左心室領域での虚血と右心室領域での血流の維持を確認した。
(2)左心室領域の虚血情報がどのような機序で右心室に伝達されるのかを明らかにする目的で、まず神経性の伝達経路遮断する目的で薬理学的な神経遮断を行ったが、やはり左心室領域の虚血により右心室でのA_1受容体mRNA発現量の増加が確認された。
(3)摘出心をランゲンドルフ灌流下で、左冠動脈下行枝を結紮して虚血再灌流心を作成したが、40例中37例で再灌流後心室細動が発生し、データを取得することができなかった。心室細動の発生しなかった残りの3例では、in vivoで得られた実験と異なり、再灌流での右心室におけるA_1受容体mRNA発現量の増加を認めなかった。しかしながら、この3例においてもはっきりとした心室性期外収縮が認められており、これが正しい結果であるか否かは明らかではない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] The prostacyclin analogue beraprost sodium prevents development of arterial stiffness in elderly patients with cerebral infarction.2004

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Nakayama et al.
    • 雑誌名

      Prostaglandins, Leukotrienes and Essential Fatty Acids 70(6)

      ページ: 491-494

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] P2Y-mediated Ca^<2+> response is spatiotemporally graded and synchronized in sensory neurons : a two-photon photolysis study.2004

    • 著者名/発表者名
      Shinsuke Nakayama et al.
    • 雑誌名

      The FASEB Journal 18(13)

      ページ: 1562-1564

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] The microsatellite alleles on chromosome 1 associated with essential hypertension and blood pressure levels.2004

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Nakayama et al.
    • 雑誌名

      J Hum Hypertens. 18(11)

      ページ: 823-828

  • [雑誌論文] An association study in essential hypertension using functional polymorphisms in lymphotoxin-alpha gene.2004

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Nakayama et al.
    • 雑誌名

      Am J Hypertens. 17(11 Pt 1)

      ページ: 1045-1049

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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