研究課題/領域番号 |
15590225
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大和谷 厚 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30116123)
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研究分担者 |
山本 浩一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40362694)
春沢 信也 大阪薬科大学, 薬学部, 助教授 (90167601)
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キーワード | ヒスタミン / H3受容体 / H4受容体 / テトラヒドロフラニルイミダゾール誘導体 / OUP化合物 / RBL-2H3細胞 / 肥満細胞 / 脱顆粒反応 |
研究概要 |
2000年に同定およびクローニングされたヒスタミンH4受容体のmRNAは、正常な肥満細胞、好塩基球、好酸球などに発現しており、免疫系に関与している可能性が示唆されてはいるものの、その生理的機能の詳細は未だ不明な点が多い。さらに、H4受容体の分子構造および細胞内シグナル伝達系はH3受容体のそれと極めて類似していること、既存のH3リガンドのほとんどがH4受容体にも結合親和性を有することから、薬理学的実験を行う上でも選択的H4受容体リガンドの創製は不可欠である。 研究代表者である大和谷は、これまでにイミフラミンおよびイミフラミンの側鎖末端部位をシアノグアニジン基に置換した2種のテトラヒドロフラニルイミダゾール誘導体(OUP-13およびOUP-16)が、ヒスタミンH3受容体よりもH4受容体に対して選択的に結合し、生物活性を有する化合物であることをすでに報告している。本年度は、肥満細胞のモデルとして汎用されているラット好塩基球性白血病(RBL-2H3)細胞にH3受容体は存在せず、H4受容体が存在していることをRT-PCR法により明らかにした。そこで、抗原抗体反応時におけるRBL-2H3細胞からのヒスタミン遊離に対し、OUP-13およびOUP-16がどのような影響を及ぼすかを検討し、RBL-2H3細胞におけるH4受容体の生理的意義について考察した。その結果、OUP-13およびOUP-16は高濃度DNP-BSA抗原によるヒスタミン遊離には影響しないが、低濃度DNP-BSA抗原によるヒスタミン遊離に対して有意な抑制効果を示した。RBL-2H3細胞に存在するH4受容体は、脱顆粒に伴うヒスタミンの遊離調節に間接的または直接的に関与している可能性が示唆された。
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