研究課題/領域番号 |
15591402
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大植 雅之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40294095)
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研究分担者 |
池田 正孝 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80335356)
山本 浩文 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30322184)
関本 貢嗣 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10273658)
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キーワード | 大腸癌 / 臨床診断型DNAチップ / cDNA microarray / 遺伝子発現 / オリゴヌクレオチド / 臨床応用 / 肝転移 / リンパ節転移 |
研究概要 |
大阪大学および関連病院の倫理委員会の承認のもと、各施設の大腸癌の切除標本・臨床病理学的情報の収集システムを構築した。これにより大阪大学を中心とした大腸癌の標本およびデータの整理・管理システムが完成した。 大腸癌解析用cDNA microarray(4600 clone:既報BBRC,2001)の遺伝子発現プロファイル解析のデータから、1:大腸癌部で発現の亢進・減弱する、2:肝転移・リンパ節転移に関与する、3:組織分化度に関与する遺伝子群を約200種類選択し、臨床診断用DNA chipのコンテンツとした。定量性など基礎データに関する従来の問題点を改善するため、これら遺伝子に対して特異的な50merのオリゴヌクレオチドを設計・合成し、臨床診断用DNA chipを作製した。 保存液RNA later中に保存された解析対象サンプルからmRNAを抽出し、超微量mRNA分析用マイクロラボチップを購入、quality checkを行なったうえでTarget DNAを調整した。予備検討により決定された一定のプロトコールに従い、control referenceとの競合ハイブリダイゼーションにより、臨床診断用のDNAチップの遺伝子発現データを取得している。 現在、大腸癌部で発現亢進・減弱する遺伝子の同定の検討において、臨床診断用DNA chipと従来のcDNA microarrayの結果比較で、ほぼ同程度の検出能力を有することが判明した。取り扱いが簡単で、格段に安価に作製することが可能な臨床診断用DNA chipは定量信頼性も高く、臨床応用への導入が可能と考えられた。今後、肝転移、リンパ節転移などの解析においても癌の生物学的特性を反映した臨床診断能力が期待される
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