研究課題/領域番号 |
15601007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
非営利・共同組織
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
中村 陽一 立教大学, 法学部, 教授 (40285185)
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研究分担者 |
北島 健一 松山大学, 経済学部, 教授 (60214798)
清水 洋行 東京学芸大学, 教育学部, 専任講師 (50282786)
藤井 敦史 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60292190)
李 妍□ 駒澤大学, 文学部, 専任講師 (90348889)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 社会的企業 / 社会的協同組合 / 社会的排除 / ソーシャル・キャピタル |
研究概要 |
1.2004(平成15)年度研究会で、下記訪英調査準備のため、欧州における先行研究の批判的検討を通しての理論的枠組みの構築、国内のコミュニテイビジネスや地域組織の現状把握、イタリアの社会的協同組合や中国の非営利組織など海外事例研究を行った。 2.2004年2月27日〜3月12日、主として英国社会的企業を対象とするヒアリング調査を実施した。調査対象は、社会的起業家の中間支援組織とメンバー団体である社会的企業、比較のため地域に密着した一般的なチャリティ団体、英国ポランタリーセクターの中心的な中間支援組織、ローカル・コンパクトで有名なReading市で行政とボランタリー組織の関係を知るために選択した20団体である。調査を通じ、英国社会的企業における財政基盤、統治構造、組織構成、政府や企業とのパートナーシップ関係、英国ボランタリー・セクターにおける社会的企業の位置づけを明らかにできた。 3.2004年11月にイタリアのトレント、ブレシアを中心に社会的協同組合や関係する諸団体のヒアリング調査を行った。これにより、社会的協同組合が地域社会の中で、どのようなネットワークを形成しながら、社会的に排除された人々に対する労働市場への挿入(work integration)事業を行っているのか理解することができた。また、トレント市の社会サービス局やトレント市のボランタリーサービスセンターにもヒアリングをすることで、社会的協同組合と行政施策との関係、社会的協同組合と他のボランタリー組織との分業関係等に関しても一定の知見を得ることができた。協同組合間協働の具体的なあり方を、トレントという地域に集中して綿密に描き出せたのが最も大きな収穫である。また、ロンドンに立ち寄り、英国社会的企業に関しての補足調査、追加ヒアリング調査を行った。前年度の英国社会的企業調査がソーシャル・ビジネス類型の社会的企業が多かったので、協同組合的な要素が強いマルチ・ステークホルダー型の社会的企業をヒアリングし、英国社会的企業の幅広い多様性を理解できた。 4.調査研究を通じ、社会的企業が、各国ごとの制度的背景や社会的基盤によって、深く埋め込まれていることが理解でき、とりわけ市場競争を重視する英国社会的企業とローカル・コーポラティズム的な構造と密接に結び付いているイタリア社会的協同組合という極めて対照的な社会的企業のありようを把握することができた。
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