研究課題/領域番号 |
15606009
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大久保 敦 山口大学, 大学教育機構, 助教授 (60335776)
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研究分担者 |
三浦 房紀 山口大学, 工学部, 教授 (60109072)
堀江 穆 山口大学, 大学教育機構, 教授 (40335774)
富永 倫彦 山口大学, 大学教育機構, 教授 (50335775)
三上 真人 山口大学, 工学部, 助教授 (20274178)
岡村 康夫 山口大学, 教育学部, 教授 (90132612)
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キーワード | 高大接続 / 高大連携 / 科学教育 / 専門高校 / 総合学科高校 |
研究概要 |
本研究は、専門高校や総合学科高校からの大学進学に焦点を絞り、科学教育の円滑な接続を実現するための基礎研究を行うことを目的とする。研究最終年度は専門高校・総合学科高校の大学進学の対応状況を全国的に明らかにするために、以下に示す専門高校・総合学科高校の大学進学に関する実態調査のデータ分析を主に行った。 1.昨年度実施したアンケート調査の集計およびデータの分析結果 全国の商業系、工業系の単独校および総合学科高校800校を対象とし369校(回収率46.3%)から回答を得た。その結果、商、工業高校とも四年制大学への進学者が100名以上の高校が存在することが判明した一方、大学進学者が10名に満たない高校も多く存在すること。受験方法は推薦、AO入試が一般的であること。センター試験受験は入学後の学力補強の位置付けであること。普通科目の履修可能単位は限られていること。専門高校枠などの特別選抜を多くの高校で要望していることなどが判明した。これらのことから、大学進学に対して二極化が進行していること。進学実績校であっても一般入試での受験は基本的には困難であることなどが浮かび上がってきた。 2.学校訪問による実地調査の分析結果 特に大学進学に積極的に取り組むこれらの高校では、近年の社会状況等の著しい変化により、専門教育を高校3年間で完結することは困難であるとし、学部あるいは大学院を含めた継続教育にその完成をゆだねる傾向が顕著にみられた。また、その対応の仕方により、A)新しい概念の高校へ改編、B)特徴的な学科を軸に改編、C)大学での継続教育も視野に入れた総合学科に改編、D)従来の専門学科を踏襲しつつ大学進学に積極的に対応、の4つの型におおよそ区分することができた。また、地域のニーズ(求人や大学進学)、伝統(OBや全国大会実績)、普通教科担当教員の割合、および専門科目20単位必履修の制約などが、進学の対応の仕方に影響を与えていることもうかがえた。
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