研究課題/領域番号 |
15656230
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 豊久 東京大学, 人工物工学研究センター, 教授 (70124617)
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研究分担者 |
岡屋 克則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (80134493)
定木 淳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60332582)
柴山 敦 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (30323132)
村田 健司 日本油脂(株), 研究開発部, 主任(研究職)
松尾 誠治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20302755)
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キーワード | 水中爆破破砕 / 廃棄超硬工具 / WCチップ / 酸化焙焼 / タングステン浸出 / 電気破砕 / 絶縁破壊電圧 / 波頭長 |
研究概要 |
本年度においては、主に水中爆破法を利用した廃棄物の破砕試験を行い、次いで、得られた破砕産物の特性と浸出処理による金属抽出の可能性を探った。 対象とした廃棄物は、超硬工具として廃棄されたタングステンカーバイト(WC)チップである。本研究では、WCチップからの金属回収を目的とし、まずWCチップの爆破破砕処理による細粒化と、金属回収を容易にするための酸化焙焼処理を行った。焙焼後、破砕産物の粒度分布を調べる一方、爆破破砕を施したWCチップと未破砕WCチップのアルカリ浸出によるタングステンの浸出特性を調査した。 爆破破砕を施すと、破砕困難であったWCチップの細片化・細粒化が進み、その境界面積が増加することが明らかになった。さらに950℃、6時間の酸化焙焼処理により、WCチップの未破砕物、破砕処理物を比較すると、細粒に破砕されたWCチップの方が平均粒径は約2.5mmから1.5mmへと縮小していた。さらに各種の条件下でアルカリ浸出を行うと、常温から80℃加熱に至る全ての加温状態において、WCチップを爆破処理した細粒サンプルの方がタングステンの浸出率が高く、浸出率は50%以上を保持し、浸出性に優れ浸出速度定数も高くなった。 以上のように、金属含有廃棄物に水中爆破法を適用し、細粒化を行いつつ浸出処理を行うことで金属回収が可能であり、特に付加価値が高く破砕難処理物への効果は高いことがわかった。 電気破砕に関しては、基礎的実験として水中あるいは油中に配置した楔状電極と接地したプレート電極間に、試料を配置しない場合の絶縁破壊を生じる電圧の時間に対する変化を、雷インパルスの波頭長を変化させて測定した。波頭長が短いほど絶縁破壊を生じる高電圧が電極間に長時間作用し、電気抵抗の大きい油中ほど絶縁破壊電圧が大となった。電極間距離が離れるに従い、絶縁破壊電圧は大きくなり、電圧が電極間に作用する時間も長くなった。
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