研究概要 |
Rat-1細胞に生じた体内時計機能を観察するため、1,000,000個のRat-1細胞を35mmディッシュにまいた24時間後、ヒトBmall遺伝子のプロモーターをルシフェラーゼ遺伝子の上流に組み込んだレポータープラスミドpGL3-Bmal1P-PESTを導入し、48時間後に0.1μMのDexamethasoneで2時間刺激し、微弱発光測定装置で発光量の変化を測定した。 その結果、ほぼ一定の24時間周期で発光量が増減するのが観察された。この発光量の変化は、Dexamethasoneで刺激しない場合は出現しなかった。従って、このシステムにより体内時計機能を測定できることが示された。また、他の時計遺伝子のプロモーターを組み込んだプラスミドをRat-1細胞に組み込みDexamethasoneで刺激した場合、異なった時間的位相で発光量が変化することを見出した。従ってルシフェラーゼ遺伝子の上流に様々な時計遺伝子のプロモーター配列を組み込むことで、各時計遺伝子がどのような転写調節を受けているか、この系で確認できることが見出された。 平行して、Rat-1細胞に時計遺伝子多型をノックインするためのベクター開発を行った。ラットゲノムDNAからcasein kinase1 epsilon(CK1ε)遺伝子をクローニングした。今後、ヒトにおいて概日リズム障害発症の抑制因子となるCK1ε遺伝子のS408N多型を、クローニングしたラットCK1ε遺伝子に導入する予定。
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