研究課題
本年度は、昨年に続いて、クライオミクロトームの利用がほとんど不可能なことが明らかになったので、代替手段として、化学的固定による方法を資料作成のために応用することを引き続き試みた。標本を脱樹脂により観察するという本研究の特徴を実現するために、試料は全て、メタアクリレート樹脂あるいはブチルーメチルメタアクリレート樹脂に包埋した。アクリル樹脂モノマーは揮発性が高く、通常の方法では、重合作業中に蒸発するという致命的な欠陥があるので、今回は、半重合樹脂にモノマーの浸透が終了した試料を報マイすることをこころみた。試料は従来の透過電顕用試料より大きく、特に走査電顕用試料はかなり大きいので、通常の揮発性樹脂の包埋に使われる蓋付きポリエチレンカプセルでは不便なので、脱水や樹脂浸透に用いるガラス製試料ビンに包埋する方法によって包埋した。この方法は便か一度しか使えないと言う欠点があるが、アクリレート樹脂のような揮発性の強い包埋材の場合祐子菜穂右方と考えられる。ただし、この場合、試料は重合前のモノマーの中で沈むので、前年度と同様、重合樹脂ブロックの中程に試料が来るようにするために、試料ビンに1cmほどのモノマーを入れて重合した後、樹脂浸透の終了した試料を置き、静かに触媒入りモノマーを1cm〜1.5cmそそぎ入れ、蓋をして重合した。重合完了後、ガラスビンを割って重合試料ブロックを取り出す。ただし、半重合樹脂では、空気の混入が生じることが多く、重合中に樹脂そのものが発泡するという重大な欠点があり、あらかじめ、十分に脱気する必要があることがわかった。このブロックから試料を任意の方向から切り出すことが可能であるが、大きな切片の切り出しは極めて困難で、期間中に十分な成果を挙げることができなかった。共同研究者の教室では、超高圧電子顕微鏡による表面触媒の解析に関する業績が得られた。
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