研究課題/領域番号 |
15GS0102
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山影 進 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10115959)
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研究分担者 |
井庭 崇 慶應義塾大学, 総合政策学部, 専任講師 (40348371)
保城 広至 東京大学, 東洋文化研究所, 助教 (00401266)
山本 和也 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (20334237)
田村 誠 茨城大学, 地球変動適応科学研究機関, 研究員 (10376585)
阪本 拓人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (40456182)
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キーワード | 国際秩序 / 社会制度 / シミュレーション技法 / エージェント / 人工社会 |
研究概要 |
最終年度である19年度は、昨年度までの実績を踏まえた研究活動を進めるとともに、全体的なとりまとめを行い、「マルチエージェント・シミュレーションによる社会科学研究」の本研究終了後における発展のための基盤整備に努めた。 (1)JAVA版KK-MASの普及。 構造計画研究所と開発したJAVA版KK-MAS(ver.3.0:公開版名称artisoc)の標準教材(『人工社会構築指南』)を用いて、チュートリアル、他大学での出張講義、紹介などを行ない、広く普及を促す活動を展開した。 (2)海外との交流。 前年度まで、欧米における動向の調査、日本で外国から研究者を招いてシンポジウムなどを開催してきた。本年度は、artisocの海外での普及を促すため、『人工社会構築指南』の英訳を行った。これによって、海外での出版に向けての準備が整った。 (3)マルチエージェント・シミュレータの汎用化。 JAVA版KK-MASの改良(version5.0の開発)によるハイブリッド化とネット化、経済社会を想定したマルチエージェント・シミュレータの改良を通して、さまざまなタイプのマルチエージェント・シミュレータによる社会秩序変動研究が本研究終了後に可能となった。 (4)各種の社会秩序変動の研究の見直しとマルチエージェント・シミュレーション・モデル化。 従来型の社会秩序変動研究を、artisocをはじめとするシミュレータを活用してマルチエージェント・シミュレーション型に変換し、社会科学へのこの技法の適用を図った。この観点から、19年12月には東京大学に外部の研究者を招き、「人工社会の可能性-マルチエージェント・シミュレーションと社会科学」ワークショップを開催した。ワークショップでは、研究成果の発表とディスカッションを通じて、この手法の発展を確認し、将来の展望について議論を深めた。 (5)成果の随時公表。 社会科学におけるマルチエージェント・シミュレーション普及のため、『人工社会構築指南』を第一巻とする「シリーズ人工社会の可能性」を創設した。そして第二弾として、研究分担者である山本和也の『ネイションの複雑性』を出版した。
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