研究課題
(1)村田:指定のDNA一本鎖を順次出力する反応系(PSG)のデモンストレーションとして,微小管の集合状態を制御するMotility Assay系を構築し,微小管の集合,離散状態の制御実験に成功した.その成果について論文に取りまとめて投稿予定である.さらにこれを応用したカーゴ運搬のデモンストレーションに着手し(北海道大学角五研究室との共同研究),その予備実験に成功している.その成果についても別の論文として投稿する予定である.(2)中茎:濃度レギュレータ(DC)を含む一般のDNA反応系では,設計者が意図しない副反応が混入することがあり,DNA回路動作に深刻な影響を及ぼすことも多い.副反応とは,DNA鎖間で生じるリーク反応やクロストーク反応であるが,反応系を構成するどのDNA鎖間で副反応が生じていて,どの程度の悪影響を及ぼすのかを完全に予測することは難しい.今年度,DNA反応系において,副反応によるDNA反応系の観測量(通常,出力)への影響を,L2ゲインを用いて評価する手法を新たに提案した.これは,非線形H∞制御理論をDNA反応系のロバスト設計問題に適用したものである.この提案手法により,これまで曖昧な存在量としてのみ規定されていた副反応を定量的に評価することが可能となる.理論面における基礎的な結果は,査読付き国際会議論文として発表した.(3) 川又:電気泳動実験によりPSGの詳細な時間発展の解明を行い、執筆中の論文を補強した。また、シグナル伝達系に習い、分子ロボットの行動プログラミングを行うためのDNA反応系として、DNAパルス波を生成する反応回路を設計した。パルス波の挙動は、前年度までに作成したDNA反応系のシミュレータを用いて予測した。タイミング制御などの新しい課題も見つかり、本課題終了後も発展が見込まれる。本研究で得られた成果については論文投稿や国際会議などで発表する。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (23件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件) 図書 (1件)
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