研究課題/領域番号 |
15H01723
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
関野 樹 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 教授 (70353448)
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研究分担者 |
柴山 守 京都大学, 国際戦略本部, 研究員 (10162645)
原 正一郎 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (50218616)
山田 太造 東京大学, 史料編纂所, 助教 (70413937)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 時間情報学 / Linked Data / 歴史情報 |
研究実績の概要 |
(1)時間オントロジーの構築:曖昧な期間や時間を、他の期間との関係により記述することで、取りうる期間の範囲を限定する方法を整理した。これを、セマンティックWeb技術を応用し、データ化するための基盤として、各暦や期間同士の関係を記述するための語彙のオントロジーを整理した。さらに、これらをRDFsにより記述し、Web上で公開した。http://resource.hutime.org/ontology/ (2)ユースケースの検討:セマンティック・クロノロジー技術の活用について、歴史研究や地域研究の研究事例を参考に、できごとや人物を記述する場合を想定した検討を行った。また、一部のできごとや人物に関する基盤情報として活用できるよう、実際のデータを使いながら、データ構造等の確認を行った。 (3)基盤データのRDF化:和暦、グレゴリオ暦、ユリウス暦等の基本的な暦に関する年号、暦年、暦月、暦日に関するそれぞれの情報、各リソース間の関係に関する情報を、(1)の時間オントロジーの成果に基づいてデータ化し、Linked Dataのリソースとして公開した。http://datetime.hutime.org/ (4)HuTimeでのRDF抽出機能構築:RDFaの仕組みを応用し、HuTime用のXMLデータに、RDFを埋め込む方法を確立した。さらに、従来のスタンドアロン版のHuTime(Desktop HuTime)に、RDFaにより記述されたデータから、RDFを抽出するための機能を実装した。また、抽出されたRDFをHuTime上に表示する方法や、HuTimeにSPARQL Endpointを実装するための技術的な検証を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・あいまいな時間記述に道筋がついた ・次年度以降に予定されているHuTime上でのRDFの表示や検索について、技術的な目途を付けることができた。 ・暦に関する情報は、公開するだけでなく、実際に使用して、セマンティック・クロノロジー技術の応用可能性を検証することができた。本課題の成果を公開しているWebページでも活用している。
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今後の研究の推進方策 |
(1)HuTimeの機能拡張:パソコン上で動作する既存のHuTime(Desktop HuTime)の機能を、Webページに埋め込むなどの形で利用可能なWeb版(Web HuTime)の構築し、公開する。このWeb HuTimeに、基盤データを動的に利用する仕組みや、RDFデータを扱う機能をそれぞれ実装する。 (2)基盤データの検索システム構築:平成27年度までに蓄積した基盤データをWeb上で検索するための仕組みをサーバ上に構築し、公開する。主な仕組みとして、RDFを検索する標準的な仕様であるSPARQLエンドポイント、および、REST型のAPIを対象とする。 (3)利用者・開発者向けの手引書の作成:平成27年度に構築した基盤データのデータベース(RDFストア)の利用方法や、新たに構築されるWeb HuTimeを使ったWebアプリケーション開発者向けのAPI仕様書などを作成し、公開する。
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