研究課題/領域番号 |
15H01761
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田村 良一 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (20253544)
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研究分担者 |
古屋 繁 芝浦工業大学, デザイン工学部, 教授 (40209193)
都甲 康至 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (90437765)
金子 邦彦 福山大学, 工学部, 教授 (50274494)
大草 孝介 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (30636907)
麻生 典 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (20708416)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サービスデザイン / 元気な高齢者 / QOL(生活の質) / ウェラブル端末 / HEMS |
研究実績の概要 |
本研究は、元気な高齢者のなかで、デジタルリテラシを有する独居世帯の男性高齢者をエクストリームユーザとして位置づけ、フィールド実験を基礎として、元気な高齢者の潜在的ニーズを満たすサービスを共創、新サービスの実現に向けて必要となる技術要件、個人情報保護等の課題の抽出、整理等を行うものである。 今年度は、「元気な高齢者の潜在的ニーズを抽出してQOL向上を目的とした新サービスを創出」の基礎となるフィールド実験の実施に関連して、主に以下4点について活動した。 1)屋内の生活行動に関する客観的データを収集するためのHEMS関連機器、屋外の生活行動に関する客観的データを収集するためのウェラブル機器を選定、研究代表者および研究分担者が試用し、フィールド実験の実施にあたっての課題等を検討した。 2)QOLの考え方に関して、先行研究の調査、専門機関(東京大学高齢社会総合研究機構)でのヒアリング調査を行った。本研究においては、Lawtonモデル/グッドライフの4セクターを参考にすることとし、楽しさ、不安、生きがいの3種類の生活意識に注目して、それらの生活意識の評価を向上させることがQOL向上に結びつくこととして捉えることにした。 3)元気な高齢者の生活意識の調査およびモニター選出を目的として、民間調査会社に登録されている東京都および九州7県に在住する独居世帯の男女および同居世帯の男女の高齢者(60歳~74歳)を対象として、Webアンケート調査を実施した。具体的には、健康状態に関する2設問、生活意識に関する3設問等の15設問から構成されるアンケートを作成し、独居男性798名、独居女性390名、同居男性1305名、同居女性1305名の計3798名から回答が得られた。 4)3)の回答者のなかから、独居男性3名をパイロットモニターとして選出し、プレフィールド実験を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要でも述べたとおり、本研究は、元気な高齢者のなかで、デジタルリテラシを有する独居世帯の男性高齢者をエクストリームユーザとして位置づけ、被験者として実施するフィールド実験を基礎とするものである。 当初、このフィールド実験に参加するモニターは、生活地域の違いを考慮して地方都心(福岡市)、農山村地域(熊本県小国町)、東京都心(港区)から15名を選出する計画を立てていたが、当該条件に該当するモニターの選出に困難を極めた。そこで、民間調査会社に登録されている東京都および九州7県に在住しているモニターを対象としたWebアンケート調査を通じてモニターを募り、福岡県下3名をパイロットモニターとして選出し、プレフィールド実験を開始した。そのため、フィールド実験を通じた「ライフログ機器調査」および「生活調査」を実施することができず、元気な高齢者の潜在的ニーズを検討することができなかった。 以上から、本研究の現在までの進捗状況は「遅れている」と自己評価を行った。
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今後の研究の推進方策 |
Webアンケート調査の結果をもとに、性別、世帯構成の違い、生活地域の違い、年齢層の違い等の観点から、元気な高齢者の生活意識について比較考察、モニター選出の方法を再考し、当初に計画した15名を目標とするフィールド実験を速やかに実施する。また、モニターとの共創による新サービスの提案に向けて、関連する既存サービスについて調査を進める。
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