研究課題/領域番号 |
15H01899
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高瀬 克範 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (00347254)
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研究分担者 |
内山 幸子 東海大学, 国際文化学部, 准教授 (20548739)
手塚 薫 北海学園大学, 人文学部, 教授 (40222145)
江田 真毅 北海道大学, 総合博物館, 准教授 (60452546)
増田 隆一 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80192748)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 千島アイヌ / 千島列島 / カムチャツカ半島 / 考古学 / 動物遺存体 / 竪穴住居 / 放射性炭素年代測定 |
研究成果の概要 |
千島列島の先住民である千島アイヌの起源地は,南サハリンもしくは南千島である可能性が高いことを考古学的な検討を通して明らかにした。また,千島アイヌは,15世紀に成立した当初,千島列島ではなく南カムチャツカを本拠地としていたが,18世紀初頭にカムチャツカの利用をほぼ停止し,千島列島に本拠地を移したことも明らかにした。千島列島ではもともとカムチャツカ起源の陸獣を多量に利用していたわけではなく海洋資源に大きく依存していたため,カムチャツカ撤退以後も千島列島内の経済に大きな変化は生じていなかったことが,動物骨の検討から予測された。
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自由記述の分野 |
考古学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
千島アイヌの起源,カムチャツカからの撤退時期,それに伴う経済の変化は,当事者たちが残した同時代の資料によって検討されることがこれまでほとんどなかった。本研究は,既存の発掘資料を利用するだけでなく,訪問すら極めて困難な地域でのフィールドワークから得られた新資料をも用いて,千島アイヌの歴史復元に取り組んだ初めてのプロジェクトである点に高い学術的意義がある。また,千島アイヌは日本政府による強制移住を契機として消滅した民族であるがゆえに,日本人の研究者が主導する国際的なプロジェクトによってその歴史が解明されたことに大きな社会的意義がある。
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