研究課題/領域番号 |
15H01950
|
研究機関 | 公益財団法人アジア成長研究所 |
研究代表者 |
C Y.Horioka 公益財団法人アジア成長研究所, 研究部, 副所長・教授 (90173632)
|
研究分担者 |
戴 二彪 公益財団法人アジア成長研究所, 研究部, 教授 (20300840)
新見 陽子 公益財団法人アジア成長研究所, 研究部, 准教授 (30742647)
井伊 雅子 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50272787)
八田 達夫 公益財団法人アジア成長研究所, 研究部, 所長 (70008647)
林 正義 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (70318666)
鈴木 亘 学習院大学, 経済学部, 教授 (80324854)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 社会政策・社会保障 / 年金・介護 / 医療 / 教育・人的資産 / 貧困・格差 / 人口移動・住宅 / 地方財政 / 家計消費・貯蓄行動 |
研究実績の概要 |
日本では、他の国と同様、経済がある程度発展するまでは経済成長を優先し、社会政策を疎かにしたが、1970年代初頭からは社会政策に力を入れるようになり、その中には成功した政策もあれば、失敗したものもある。本研究の目的は、日本の社会政策の成功と失敗の経験を、アジア諸国の社会政策構築への適用可能性の観点から分析することである。社会政策の構築過程にあるアジア諸国にとって、本研究は時宜に適った有用な研究である。
より具体的には、本研究では、7つの分野(年金、介護、医療、生活保護、教育、人口移動・住宅政策、地方財政)について、日本がこれまで導入してきた制度・政策およびその経済効果について理論・実証両面から検証し、次いでアジア諸国がこれまで導入してきた制度・政策について検証し、アジア諸国がこれらの分野における制度・政策の構築・改善に当たり、日本の成功と失敗から何を学べるかについて検証した。最後に、我々の研究結果に基づき、各々のアジア諸国に対し、社会政策に関する政策提言を行った。
なお、本研究の一環として2回に亘り、社会政策に関する国際会議を開催した。これらの会議では、日本、アジア諸国およびそれ以外の地域から幅広く論文を募集し、40~50人の研究者、専門家、実務家などの参加および約16の論文発表があった。1回目の国際会議は2016年11月15~16日に北九州市のホテル・アルモニー・サンクにおいてアジア開発銀行研究所との共催で開催し、「アジアにおける高齢化」をテーマとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
9名の研究代表者・研究分担者・研究協力者は7つの班(年金班、介護班、医療班、生活保護班、教育班、人口移動・住宅政策班、地方財政班)に分かれ、それぞれの班において、日本およびアジア諸国の制度・政策およびその経済効果について理論・実証両面から検証しており、作業はおおむね順調に進展している。より具体的には、先行研究のサーベイ、専門家、政策担当者、実務家などへのヒアリング、資料・データの収集・整備はほぼ完了しており、推定モデルの構築・推定・結果の解釈、論文の取りまとめ・学会発表・ワーキング・ペーパーとしての発行、学術雑誌への投稿、アジア諸国に対する政策提言の検討に着手している。
なお、平成28年11月15~16日に北九州市のホテル・アルモニー・サンクにおいて「アジアにおける高齢化」に関する国際会議をアジア開発銀行研究所(Asian Development Bank Institute)との共催で開催した。この会議には、8ケ国(日本、中国、タイ、シンガポール、スイス、ドイツ、アメリカ、イギリス)から40人以上の研究者、専門家、実務家などが参加し、日本、アジア諸国、欧米の社会政策に関して1つの基調講演、16の論文発表があり、活発な議論が行われ、本研究の遂行に大いに役立った。
|
今後の研究の推進方策 |
最後の年度においては、引き続き7つの班(年金班、介護班、医療班、生活保護班、人口移動・住宅政策班、教育班、地方財政班)において、日本およびアジア諸国の制度・政策およびその経済効果について理論・実証両面から検証し、研究をまとめ、政策提言を行う予定である。より具体的には、先行研究のサーベイ、専門家、政策担当者、実務家などへのヒアリング、資料・データの収集・整備を完了し、推定モデルの構築・推定・結果の解釈、論文の取りまとめ・学会発表・ワーキング・ペーパーとしての発行、学術雑誌への投稿、アジア諸国に対する政策提言の検討を行う予定である。
また、平成29年度中に、北九州市のホテル・アルモニー・サンクにおいて2回目の国際会議をアジア開発銀行研究所(Asian Development Bank Institute)との共催で開催する予定であり、今回のテーマは「アジアにおける人的資本への公的・私的投資および世代間移転」にする予定である。日本、アジアおよびそれ以外の地域から幅広く論文を募集し、50人以上の研究者、専門家、実務家などの参加および約16の論文発表を予定している。
|