研究課題/領域番号 |
15H01987
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
恒吉 僚子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (50236931)
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研究分担者 |
秋田 喜代美 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (00242107)
堀井 秀之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (10181520)
藤村 宣之 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (20270861)
北村 友人 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (30362221)
小玉 重夫 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (40296760)
伊藤 秀樹 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (80712075)
高橋 史子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 助教 (80751544)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 「日本型」教育 / TOKKATSU / 教育モデル / 社会情動的スキル / 比較教育学 / 社会学 |
研究実績の概要 |
本年度の主な研究実績は以下の通りである。 (1)昨年に続き、東京大学教育学研究科附属学校教育高度化センター(改組:学校教育高度化・効果検証センター)主催のシンポジウムで、広く問題提起をした。昨年が「日本型」の教育が国際モデル化するにあたっての枠組みや、既に国際モデル化しているレッスンスタディの事例等の基盤作りであったのに対して、本年度の国際シンポジウムは、エジプトへのTOKKATSU+(日本型教育)の導入が進み、また、海外調査・教員研修も進んだため、より具体化された内容となった(テーマ:海外における「日本式」教育モデル)。エジプトでのTOKKATSU+の導入にあたって中心的な役割を果たしている登壇者を含め、フィンランドの海外招聘者、海外調査メンバーによるシンガポールと台湾に関する発表がなされた。(2)本研究は当初から、研究者と実践者との連携を目標の一つとしてきた。そのため、日本の教育実践から国際モデル化を進め、国際発信することが、日本の教員にとって教育改善を行なうきっかけとなることが目標として組み込まれてきた。本年度は、海外においては、シンガポールと台湾でのTOKKATSUの教員研修や教員養成大学等での発信を行ない、(4)で述べるような、海外の教員・教育政策者向けの図書の出版契約(英語)を結んだ。日本の教員の間でも、次の年次大会で日本特別活動学会がTOKKATSUでシンポジウムを組む等、本テーマに関して教員の意識の高まりが見られた。(3)海外の映像発信として、昨年度は学級活動等のDVDを作成したが、今年度は宿泊行事を活用した全人的な人間形成教育を扱った実践のDVDの英語版を作った。(4)教育関係者への海外発信用の英文図書の契約を出版社とする(World Scientific Publishing)と同時に、昨年度契約を結んだ英文学術書(Routledge)の出版は最終段階となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では当初、国際共同研究と国際モデル化、研究と実践を結び付け、教育の実践と研究の連携によって内外に発信することを目指してきた。 初年度においては、「日本型」教育についてマスコミで注目された関係上、ニュースは増え、教育視察団は来日したが、研究として一つの比較教育学のジャンルを築いてきた「教育・教育政策のトランスファー」について、トランスファーによって何が起き、どのようなものが借用されるのか等の解明を国際的視点、国際比較を通して行なう余裕がなかった。それに対して本年度はメンバーによってシンガポール、台湾、フィンランドにおける教育トランスファーの調査、また、関係の構築(例 シンガポールNIEでの教員研修、フィンランドの教育の海外招聘者との意見交換)、エジプトの情報収集等、研究と実践を結び付け、国際比較研究等を通して国際的に展開する枠組みをおおむね実施できている。また、昨年度契約を結んでいた英語による本科研による学術書は入稿段階にあり、来年度に向けては海外の教員・教育政策者に向けた図書の契約を結ぶ等、上記枠組みは出版図書にも反映されるようになっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度の計画としては、平成27,28年度に続き、国際的な視点から、日本の教育の国際モデル化を問う国際シンポジウムを、東京大学教育学研究科学校教育高度化・効果検証センターと日本比較教育学会との共催で、年次大会において、大規模に行う(教育モデルが国境を越える時代を俯瞰する―比較教育学の原点にもどる、http://www.gakkai.ne.jp/jces/taikai/53/schedule.html)。それぞれフィンランド、シンガポールにおいて教育トランスファー、フィンランドモデル、シンガポールモデルの発信においては中核的な役割を担っている海外招聘者と、レッスンスタディや独自のモデルを展開してきた日本側登壇者による原点にもどった議論を行なう予定である。 国際発信の一環として、近く出版予定の日本の教育モデルの例外性について英文学術書と共に、既に契約を結んでいる書(仮:TITLE: The Japanese Educational Model of Holistic Education: TOKKATSU, Tsuneyoshi, Ryoko, Hiroshi, Sugita, Kusanagi, Kanako & Takahashi, Fumiko eds., World Scientific Publishing )の執筆を急ぐとともに、教育トランスファーの学術書の出版(英文)も進めている。DVDも日本から発信しうるモデルとして、日本版エッセー教育のモデルについて、映像資料を作成予定である。 本年度もまた、海外調査を行う予定であると共に、エジプトからの教育視察団等、海外視察団の受け入れ研修も予定している。
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備考 |
海外での日本型の全人的な人間形成教育への需要に後押しされ、英語、アラビア語(エジプトのニーズ)、と中国語で(1)のホームページを提供している。
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