研究課題
本研究計画は、複数の非平衡性源を持つプラズマに発現するプラズマ乱流構造を「強相関乱流プラズマ」と定義し、多種の干渉しあう非線形過程を通じて生じる巨視的構造形成について研究する事を目的とする。実空間・位相空間・外部入力の非平衡性駆動源を視野に入れる。実験検証も視野に入れ、プラズマ乱流の新たな描像を提示する事を目指し、成果を広く発信するべく、研究計画を構成している。今年度までの研究により成果が充実し、強相関乱流の性質や実験による確認法等の研究が大きく進んだ。本年度は最終年度に当たる。個別の研究発展だけでなく、全体の成果を体系的に世に問うことを重視して研究を推進した。二つの点に焦点を絞り論述する。(1)まず、本研究によって、従来未解決とされて来た多くの課題に解決の端緒を提供した。具体的な例の一部をあげる。大型磁場閉じ込め装置のH-modeプラズマでは、type-III ELMs (edge localized modes)と呼ばれる崩壊現象が知られて来たがその機構は理解できていない。本研究により、輸送障壁での強い電場勾配に起因して磁力線方向の速度に不均一が生じ、速度勾配駆動不安定性が起きることを予言して来た。本研究で指摘したこの過程が、Type-III ELMsの機構の重要な要素と考え、実験結果とともに仮説として提案し広く学界に示している。また、粒子供給の変化による改善現象も謎とされて来たが、本理論描像で理解できるとの仮説を提示し、今後の詳細な実験実証を待つ。(2)今までの研究成果の全体像を取りまとめ、世に問うための総合報告『プロジェクトレビュー「非平衡プラズマの強相関乱流」』の原稿執筆をおこなった。今後機会を見て出版する。代表者の早世という予期せぬ不幸に見舞われ今年度中途に終了ということになったが、当初の提案に掲げた研究成果を上げることができた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)
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