研究課題
平成27年度は、当研究室の難聴患者 DNA バンク(約 6500 名) のうち、インベーダー法を用いた難聴スクリーニング検査で原因の明らかとならなかった難聴患者 500 例を対象に、難聴の原因遺伝子として報告されている遺伝子の網羅的解析を行った。その結果、大規模集団における日本人難聴患者の原因遺伝子変異のスペクトラムを明らかにすることができた(Nishio and Usami 2015)。また、既知難聴原因遺伝子の網羅的解析を行っても難聴の原因を特定できなかった症例のうち、比較的大きい家系5家系を対象に全遺伝子のエクソン領域を網羅的にエキソーム 解析を実施した。その結果、うち3家系より、新規の難聴原因候補遺伝子を同定することができた。これらの遺伝子に関して内耳における局在を明らかにすることを目的に、マウス内耳における発現部位を免疫組織染色で確認を行った。また抗体の入手が困難であった1遺伝子に関しては、レーザーキャプチャーマイクロダイセクション法により内耳を部位別に分断し、RNAを抽出して遺伝子発現を確認し、内耳における機能的役割について検討を行った。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画どおり500例に対するターゲットリシークエンス解析が完了した。また、原因の特定できなかった家系に関してエクソーム解析を実施し候補遺伝子を同定することができた。
平成28年度は前年度までに既知難聴原因遺伝子の網羅的解析を行っても難聴の原因を特定できなかった症例のうち、比較的大きい家系を対象に全遺伝子のエクソン領域を網羅的にエキソーム 解析を実施し、新規の難聴原因候補遺伝子を同定する。また、新規の遺伝子に関しては機能や難聴発症のメカニズムが不明であることより、マウス内耳における発現部位を免疫組織染色およびレーザーキャプチャーマイクロダイセクション法により内耳を部位別に分断し、RNAを抽出して遺伝子発現を確認することにより、内耳における局在や機能的役割について検討を行い、論文として報告する。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 3件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 16件、 謝辞記載あり 17件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
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