研究課題
平成29年度は、当教室の管理する難聴遺伝子データベースのうち2540例を対象に次世代シークエンス解析を実施したデータを元に、コピー数多型を検出するプログラムの開発を行った。その結果、250例より何らかのコピー数多型が見出された。このうち、41例(1.7%)はSTRC遺伝子の2コピー欠失変異であり、常染色体劣性遺伝形式をとる難聴の原因となっていることが明らかとなった。また、結果を論文として取りまとめて報告した(Nishio et al. Mol Genet Genomic Med. 2018 in press.)また、既知難聴原因遺伝子のうち、低音障害型感音難聴の原因であるWFS1遺伝子に関して詳細に検討を行った。その結果、日本人難聴患者2550例中19家系に13種類の原因遺伝子変異を見出した。見出された19家系はいずれも進行性の低音障害型感音難聴を呈していた。また、optic atrophyを伴う症例は19家系中1家系であり、稀な随伴症状であることが確認された。(Kobayashi et al., PLoS One 2018)また、既知難聴遺伝子をターゲットしたパネル解析を実施しても難聴の原因特定に至らなかった症例を対象に全エクソーム解析を行い、新規原因候補遺伝子の探索を行った。その結果、解析を行った複数の家系で候補となる原因遺伝子変異が複数同定された。そこで、全エクソーム解析で得られた候補遺伝子に関して、内耳での機能的意義を推定することを目的に内示における遺伝子発現をリアルタイムPCR法およびRNA-Seqにより検討した。加えて、いくつかの原因に関しては蛍光免疫染色を行い、内示における局在に関しても検討を行った。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (40件) (うち国際学会 12件)
Mol Genet Genomic Med.
巻: 1 ページ: in press
doi: 10.1002/mgg3.399.
PLoS One.
巻: 13 ページ: e0193359
doi: 10.1371/journal.pone.0193359.
Acta Otolaryngol.
doi: 10.1080/00016489.2018.1441545.
巻: 12 ページ: e0177636
doi: 10.1371/journal.pone.0177636.
Hear Res.
巻: 348 ページ: 87-97.
doi: 10.1016/j.heares.2017.02.017.